【ダイエット】人工甘味料は危険性は?口にしない方が良いのか? 

日常
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皆さんは人口甘味料は口にしたことはありますか?

現代社会で暮らしているのであれば、ほとんどの人は1度は口にしている筈です

人口甘味料は世間的に敬遠されていますが、巷ではダイエット目的でも使用されています。

本当に危ないものなのでしょうか?

今回はそんな人口甘味料のお話です。

人口甘味料に対する不安

やっぱり人口甘味料って口にしない方が良いの?

薬剤師をやっていると、こんな質問を良く受けます。

人口甘味料については、心配になるのも仕方がないと思います。

過去に人口甘味料のサッカリンアスパルテーム発がん性が話題となりました。

その後は、調べても毒性や発がん性に問題はないとの見解で落ち着きました。

 

しかし、その時の余波の影響か、今でも人口甘味料に対する不安は根強く残っています。

サッカリンが発見された当初は人口甘味料は「糖質制限のある人のみ」で利用されていました。

その後、砂糖の低価格の砂糖代替甘味料として広く流通しています。

 

今では多数の人口甘味料がお菓子やジュース、乳製品、調味料などで使用されています。

それほど人口甘味料は私たちの身近な存在です。

代表的な人口甘味料

人口甘味料には大きく2種類あります。

合成甘味料糖アルコールです。

合成甘味料

天然には存在しない成分で、人工的に合成して作りだした成分です。

砂糖の100倍以上の甘みがある為、砂糖よりも少量で済みます。

アスパルテーム

砂糖の100~200倍の甘さ。

4.0kcal/g

一日摂取許容量は40mg/kg

体重60kgの人だと2.4g/日ですね

 

人口甘味料の代表ともいえる存在です。

体内に入るとアミノ酸(フェニルアラニンとアスパラギン酸)とメタノールに分解されます。

分解されたアミノ酸は体内のアミノ酸経路と同様に代謝されます。

メタノールは高濃度では毒性がありますが、分解により生じるメタノールはほんの微量なので、身体に害はありません。

テーブルシュガーとしての利用が多いです。

野菜や果物にもメタノールは含まれています

アセスルファムカリウム

砂糖の200倍の甘さ。

0.0kcal/g

一日摂取許容量は15mg/kg

 

摂取後24時間以内に97.5〜100%が尿から排泄されます。

糞中の排泄は0.7%~0.8%の為、吸収率がかなり高い人口甘味料です。

半減期は約2.5時間です。

ジュースやあん類に良く含まれています。

サッカリン

砂糖の200~700倍の甘さ。

0.0kcal/g

一日摂取許容量は5mg/kg

 

こちらもアスパルテームと双璧をなす人口甘味料です。

大部分が胃で吸収されます。

その後、48時間以内に98%以上を排泄します。

半減期は7.5時間です。

チューンガムなどに良く含まれています。

スクラロース

 

砂糖の600倍の甘さ。

0.0kcal/g

一日摂取許容量は15mg/kg

 

細胞で代謝されないのが特徴です。

尿中排泄10~30%、糞中排泄60~90%と吸収率が低めの人口甘味料です。

使用用途は幅広く、チューインガムやジュース、お菓子などに良く使われます。

糖アルコール

天然に存在する成分です。

これを人工的に抽出、作り出したものが糖アルコールに分類されています。

合成甘味料程の甘みはありませんが、清涼感があります。

その為、使用用途が合成甘味料よりも幅広く使えるだけではなく、食品以外にも使えることが特徴です。

エリスリトール以外は吸収がさほど良くない為、摂り過ぎてしまうと下痢を起こすことがあります。

エリスリトール

砂糖の0.75~0.85倍の甘さ。

0.2kcal/g

一日摂取許容量の設定はなし。

 

小腸で90%が吸収されて、大腸で約10%活用。残り僅かが排泄されます。

小腸で吸収はされますが、血中では代謝されず、90%以上が尿で排泄されます。

使用用途は多く、ジュースやコーヒー、アルコール飲料、チョコレート、あん類などに使用されることが多いです。

キシリトール

砂糖の0.6倍の甘さ。

2.8kcal/g

一日摂取許容量の設定はなし。

 

腸からゆっくりと吸収されて、80%は肝臓で代謝を受けます。

いくつかの代謝経路に乗りますが、最終的には水と二酸化炭素に代謝されます。

 

ガムやジュースなどに良く使用されています。

虫歯を抑えるキシリトールガムは有名ですね。特定保健用食品にも使用されることがあります。

使用用途は食品だけではありません。

糖質輸液、高カロリー輸液、歯磨き粉などにも使用されます。

ソルビトール

砂糖の0.6~0.7倍の甘さ。

2.8kcal/g

一日摂取許容量の設定はなし。

 

体内でフルクトース(果糖)に代謝されるため、ブドウ糖に変わることなくエネルギーに変わります。

使用用途は主に医薬品です。

糖質輸液や高カロリー輸液、便秘予防薬としても使用されています。

マルチトール

砂糖の0.8~0.9倍の甘さ。

2.1kcal/g

一日摂取許容量の設定はなし。

 

小腸で10%吸収されて、大腸で75%活用。残り15%が排泄されます。

使用用途はチューインガムやあめ類、加工食品、調味料類、顆粒剤、トローチ剤など、幅広く使用されています。

カロリーゼロに注意。

人口甘味料はカロリーが高いものや、カロリーが低いものがあります。

日本では100 mL当たり5 kcal以下の飲料は「ノンカロリー」や「ゼロカロリー」と表示することが出来るます。

コンビニなどで販売されているペットボトル飲料は250mLや500mL、1L、2Lが主流です。

ペットボトル全量に含まれているカロリーは、0カロリーではない可能性がありますので、厳密なカロリー計算をされている方はご注意ください。

 

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人口甘味料は有害か?

人口甘味料使用におけるアメリカ糖尿病学会とアメリカ心臓学会の共同声明では、

『砂糖の代替甘味料として人口甘味料を使用することで、血糖上昇や摂取カロリーを抑制し、肥満・糖尿病の予防や治療に有用な可能性がある一方で、その糖代謝に及ぼす影響についてはまだわかっていない』

とされています。

つまり、糖尿病のリスクにとって有用な可能性もあるが、まだ良くわかっていない部分もあるということです。

アメリカの大規模な長期間の観察研究(Nurses’ Health Study Ⅱおよびthe Health Professionals’ Follow-up Study)では次のような調査を行いました。

1日コップ0.5杯以上の特定の飲料を摂取する3つのグループで、4年間ごとに糖尿病の発症リスクについて調べてみました。

その結果、糖尿病の発症リスクが上がったグループと下がったグループが発生しました。

糖含有飲料(100%フルーツジュースなど含む)を摂取するグループ。
糖尿病発症リスクが16%増加
人口甘味料を摂取するグループ。
糖尿病発症リスクが18%増加
水・コーヒー・お茶・牛乳(低脂肪)などを摂取するグループ。
糖尿病発症リスクが2~10%減少
観察研究は対象者の状態をそのまま観察する研究です。
その為、食生活などは対象者の自由となっており、こちらから意図的に人口甘味料を摂取させたりなどの介入はしません。

尚、他の観察研究でも似たような内容となりました。

 

しかし、介入研究では違う結果となりました。

介入研究とは、対象者を同じ条件にする為に、生活習慣などに介入しながら進める研究です。
実験研究とも呼ばれています。

Steinert RE, Frey F, Topfer A,Drewe J,Beglinger C(2011)の介入研究では、

『人口甘味料は血糖値やインスリン濃度を直接上昇させる可能性は極めて低い』

という結果が出たのです。

 

糖の代わりに人口甘味料などを使ったグループの方が、エネルギー摂取量が抑えられ、体重の減少やインスリンや血圧等の改善にもつながったと考えられています。

これらの研究結果から言えることは、

 

  • 人口甘味料そのものが有害なのではない。
  • 習慣的な摂取が食欲の上昇等に関わり、糖尿病リスクを上げる要因になっている。

 

以上の可能性が高いという事です。

 

残念ながら日本では人口甘味料等の疫学的な研究は進んでおらず、動物実験の研究報告が大半となっています。
ヒトでの調査は海外によるもので、日本人と外国人の人種差はあれど、参考にはなると考えています。
一応、日本での疫学的な研究でも同様の結果となっています

糖尿病のリスク上昇の理由

なぜ習慣的に人口甘味料を摂取すると糖尿病のリスクが増大する結果となるのでしょうか?

メカニズムは未だ解明されていませんが、理由は大きく2つ考えられます。

脳内の甘味閾値が高くなる

私たちの体は甘味の感覚に続いて血糖が上昇するようになっています。

しかし、人口甘味料では、甘味を感じても血糖値が上昇しません

すると脳は混乱し、血糖値を上げる為に食欲を出してしまいます。

その結果、摂食行動などに影響を与えて、太りやすくなってしまう可能性が報告されています。

Pepino MY, Bourne C (2011) .et al.,Curr Opin Clin Nutr Metab Care 14: 391-395によると、舌の味覚神経と似た器官が腸管にも存在することが明らかになっていて、腸管が甘味を感知することで、糖代謝に影響を与える可能性も示唆されていますが、詳しいことは未だ不明となっています。

腸内フローラへの影響

 Suez J. et al ., Nature,514,181―186(2014)では人口甘味料の1つであるサッカリンを投与したマウスに耐糖能異常が認められて、そのマウスの腸内細菌叢を移植されたマウスも耐糖能異常になったという報告があります。

ちなみに抗生剤をつかってで腸内細菌を一掃すると、耐糖能異常が解消しました。

このことからも腸内フローラが耐糖能異常に関わっているとされています。

 

詳しいメカニズムはまだ良くわかっていませんが、サッカリン投与による腸内細菌の変動により、短鎖脂肪酸が増加しエネルギー吸収の増加に繋がっている可能性があります。

以前、腸内フローラの記事でも紹介しましたように、短鎖脂肪酸はインクレチン分泌等を介して耐糖能異常を改善する可能性もありますが、腸内フローラがバクテロイデス門(痩せ菌)が多い必要があり、ファーミキューテス門(デブ菌)が多いと短鎖脂肪酸はエネルギー増加の要因となってしまいます。

まとめ

人口甘味料は砂糖の代替甘味料として血糖上昇や摂取カロリーを抑える効果を期待して使用する人も多いでしょう。

肥満や糖尿病のリスクに関しては食事全体のカロリーや栄養バランスを考えて、上手に人口甘味料を使うことが重要ということです。

しかし、長期的な人口甘味料の糖代謝の影響はまだ不明な点が多いです。

 

ここまででわかったことをまとめると

  • 安全性は問題なし
  • 短期的にカロリーや食後高血糖を抑えるには使える
  • 長期的だと太りやすくなるかもしれない

ということです。

 

その為、冒頭の質問には

召し上がっても問題ありませんが、習慣的だと逆に太ってしまう可能性もありますので、ご注意ください。

と、こんな歯切れの悪い回答をよくさせていただいています。(;^_^A

最後に

野菜ジュースや果物はビタミンやミネラルが豊富で健康に良いというイメージが強いです。

ついつい過剰に摂取しても構わないという心理が働いてしまいがちです。

上手く人口甘味料を使って自分の体をコントロールするようにしていきましょう。

ではでは。

参考文献
人口甘味料と糖代謝-2000年以降の臨床研究から-
人口甘味料が引き起こす血糖コントロール不全

Steinert RE、 Frey F、 Topfer A、 et al (2011)「Effects of carbohydrate sugars and artificialsweeteners on appetite and the secretion of gastrointestinal satiety peptides」『BritishJournal of Nutrition』 105、 pp.1320-1328

Suez J, Korem T, Zeevi D, Zilberman-Schapira G,Thaiss CA, Maza O, Israeli D, Zmora N, Gilad S, WeinbergerA, Kuperman Y, Harmelin A, Kolodkin-Gal I,Shapiro H, Halpern Z, Segal E, Elinav E (2014) Artificialsweeteners induce glucose ntolerance by alteringthe gut microbiota. Nature 514: 181-186

Pepino MY, Bourne C (2011) Non-nutritive sweeteners,energy balance, and glucose homeostasis. CurrOpin Clin Nutr Metab Care 14: 391-395

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