【授乳】授乳期間中に使える風邪薬と対処法

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小さなお子様がいるお母さんとのお話で

授乳期間中って風邪薬は飲めないの?

そんな質問が多いです。

今回は授乳期間中の風邪薬についてのお話です。

母乳への移行は微量

風邪薬には解熱鎮痛剤や咳止め、鼻炎薬など様々な成分があります。

基本的には服用した後に、母乳への移行が認められている物は多いです。

しかし、移行量がほんの微量な為、健康被害を与えるとは考えにくいとされています。

その為、注意すべきですが禁止されているという訳ではありません。

ほとんどの風邪薬の母乳への移行量は、1%以下とされています。

解熱鎮痛剤

アセトアミノフェン

可能であればアセトアミノフェンを選択しましょう。

アセトアミノフェンは乳汁中への移行は認められているものの、乳児に対してもアセトアミノフェンを使われることがあるため安全です。

アセトアミノフェンは老若男女に使用されているお薬です。

NSAIDs

アセトアミノフェン以外のお薬を使用する場合は、NSAIDs(エヌセイズ)が選択肢に上がります。

NSAIDs:
Non-Steroidal Anti Infammatory Drugの略で、非ステロイド性抗炎症薬と言われています。
難しい名前に見えますが、名前の通り『ステロイドではない痛み止めです』という意味です。

その中でも、イブプロフェンをおすすめします。

イブプロフェンは、他のNSAIDsに比べて乳汁への移行も少なく、イブプロフェン自体も小児に使用出来る解熱鎮痛剤となっています。

 

ちなみにロキソニンやボルタレンも乳汁中への移行は認められていますが、移行量が微量な為、痛みが激しい場合は、使用可能です。

咳止め

眠気が出にくいタイプの咳止めや痰切りなら問題ありません。

しかし、咳止めには眠気が非常に出やすいタイプの成分があります。

 

特にリン酸コデイン酸のような成分は非常に眠気が出やすい為、赤ちゃんにも影響する恐れがあります。

どうしても服用する必要がある場合は、授乳を避けるようにしましょう。

市販薬に注意

咳止めには成分を補ったり、副作用を抑える目的でエフェドリンカフェインが含有されている物もあります。

基本的にはお薬の1日量内であれば問題はありませんが、気になるようであれば授乳を避けるようにしましょう。

花粉症や鼻炎

咳止めと同様に、乳汁中への移行は微量ですので、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性は低いです。

しかし、眠気の強弱は個人差によるところが大きく、お母さんに眠気の副作用が強く表れる薬は控えた方が無難でしょう。

 

どうしてもアレルギー薬の服用が必要であれば、お子様にも使われている成分のお薬を検討してみてください。

お子様にも使われるお薬は、『アレグラ』『アレジオン』などがあります。

 

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漢方薬

風邪の時に使用する漢方薬は、生薬の中にエフェドリンが含有されている物が多いです。

エフェドリン含有の風邪時の漢方薬
『葛根湯』、『麻黄湯』、『小青竜湯』など

お薬を適性量で使用すれば、授乳中でも問題はありません。

インフルエンザ

インフルエンザのお薬は、『タミフル』や『リレンザ』、『イナビル』などがあります。

これらは乳汁中への移行は認められているものの、その量は本当に微量で赤ちゃんに何かしらの影響があるとは考えにくい量です。

その為、インフルエンザの薬を服用していても問題なく授乳は可能です。

ちなみにワクチン接種後の授乳も問題はありません。

ゾフルーザ』に関しては、乳汁移行性は低いので使用しても問題はないとされています。
しかし、ヒトによるデータがない為、心配であれば授乳は避けた方が良いです。

授乳直後に薬を服用

お薬は服用してから乳汁中に移行するまでにある程度の時間がかかります。

多くのお薬はおおよそ、服用後の1~2時間で母乳へと移行しますが、お薬の大きさ、血中のたんぱく質、臓器による代謝などで移行量は激減します。

それでもやはり、お薬が含まれている状態での授乳が不安であれば、お薬の服用前に授乳をしてしまうに限ります。

薬が消失する時間を計算する

薬を服用してしまった後に、身体の中のお薬がなくなるぐらいに授乳したいときもあるでしょう。

薬がどれぐらいで体の中からなくなるか、目安を知りたい。

こんな質問も良くあります。

 

そんな時はお薬の半減期を使用します。

半減期:
体内に入った薬の血中濃度が半分になるまでの時間の事を指します。半減期は簡単に調べることが可能です。
お使いの検索エンジンに『○○(薬の成分) 半減期』と入力すれば簡単に検索可能です。

 

詳しい説明は、今回は割愛しますが、『半減期の5倍で血中の薬物はほぼ消失する』ということを念頭にお話します。

【薬局業務】半減期を使えばわかります。薬の残存時間の計算方法。
調剤薬剤師の現場での知識を一部ご紹介しています。薬が体から抜ける時間や安定する時間を簡単に推測する方法です。今回は半減期を扱った知識となります。

半減期に記事はこちらをご参考下さい。

 

 

ロキソニン錠を例に考えます。

ロキソニンの半減期は約1時間です。

その為、約5~6時間後にはお薬の大半が身体の中から消失します

こちらの知識がわかっていれば、ロキソニンの服用してから6時間以上であれば、乳汁中のロキソニン量を極力減らすことが可能です。

 

仮にロキソニン服用直後に授乳したとしても、乳汁中のロキソニン量は、約1/1000になります。体重辺りでも1/70となり、非常に微量です。1)

ロキソニンは小児には使用されませんが、これ程の微量であれば、有害事象には繋がりにくいと考えています。

あくまでロキソニンの例です。
乳汁移行率は、お薬によって異なりますので、ご注意ください。

まとめ

  • 風邪薬の場合、多くは授乳中でも服用可能
  • 眠気等の副作用が強い物は、授乳を避けること
  • 心配なら授乳直後に薬を服用する

最後に

『お薬の成分が乳汁に移行する』と考えると、どうしても赤ちゃんの心配をしてしまいますよね。

風邪薬の場合は、授乳してても服用可能なものが多く、選択肢も多いのでご安心下さい。

 

母乳には、赤ちゃんに必要な栄養分が非常に豊富です。

そして、授乳は乳がんや卵巣がんのリスク軽減など、お母さんにも良い影響を与えます。

神経質になりすぎて、授乳を必要以上に避けることは、本末転倒になりかねます

わからない時は、かかりつけの薬剤師さんに相談するようにして下さいね。

ではでは。

参考文献
1)ロキソプロフェンの母乳への移行性 医療薬学(2014)ja (jst.go.jp)

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