快便だと身体も心もすっきりしますよね。
しかし、便がなかなか出なかったり、時折便の色が違うと急に不安になります。
便は生きている限り、付き合っていかなければならない生理現象です。
今回は便秘や便の色に関するお話です。
目次
便秘
少し便が出なくなると不安に思う方はたくさんいます。
毎日便が出る=健康というわけではありません。
1日~2日便が出なくても異常はありません。
私も2日間ぐらい便が出ない時はたまにあります。
便秘の基準は?
便秘は『〇〇日便が出てなければ便秘』という基準はありません。
排出されるべき便が、十分量、快適に出てなければ便秘症として扱います。

本人の気持ち次第で、便秘症になってしまいます。
15分間がチャンス
便意が生じてからの15分間が便のチャンスです。
この15分間が便をする上で最適な時間となります。
この時間にいつも便を我慢すると、習慣性の慢性便秘になる可能性が高まります。
便の色
白色
ビリルビンが正常に排泄されてないことが原因として多いです。
そもそも便の色が茶色なのは、ビリルビンの代謝物の色が茶色だからです。
ビリルビンは肝臓を経て胆汁に混じり、腸内に排泄されます。
胆汁は、消化を助ける分泌液として、食べ物に混じります。
こうして便の色は茶色になっていきます。
胆石症の疑いあり
胆汁が食べ物に混じらないと白っぽい便になります。
原因として、胆汁がうまく腸に分泌されていない可能性があります。
原因として考えられるのは、胆石症です。
胆石症により、胆汁の通り道が石で詰まってしまい、胆汁が塞き止められてしまいます。
胆石症は腹部に激しい痛みを伴います。
- 便の白色
- 激しい腹痛
- 白目部分や肌が黄色くなる
上記の様な症状が現れている場合は、すぐに医療機関に受診してください。
黒色
上部消化管出血の疑いがあります。
上部消化管は、胃などの腸より上の消化管を指します
胃で出血した血液が、腸内での時間を経て黒色へと変色し、便に混じることで黒色便となります。
赤色
下部消化管出血の疑いがあります。
下部消化管は小腸・大腸の消化管を指します。
腸内による出血で、まだ血液が変色する前の為、血便として確認されることが多いです。
緑色
新生児1日~2日目の子どもに多く、まだ消化器官が未熟で、お母さんのお腹の中にいた時の腸内の羊水などの内容物が原因となることが多いです。

多くの場合は異常はありません。
ビリルビンが酸化する事で緑になる。
ビリルビンの酸化の原因は、便が腸内に長く留まったり、体内ガスに便が触れたりして酸化します。
腸内細菌のバランスの変化であったり、腸内の水素イオン濃度でビリルビンが酸化することがあります。
緑色の便は、一見びっくりするかもしれませんが、多くは身体のバランスが崩れていることが原因です。
その為、異常ではない場合が多いです。
黄色の便
ミルクや母乳を飲み始めた子どもに多いです。
まだ臓器の機能が未熟なことで黄色になります。
胆汁のビリルビンが便混じり始めるため、黄色に変化してきます。
白色・黒色・赤色の便は注意
白・黒・赤などの色の場合は、臓器に何らかの異常をきたしている可能性が高いため、注意が必要で医療機関に相談するようにしてください。
乳児が冬に白い下痢上の便が出た場合はウイルス性の下痢が疑われます。
特に白色下痢便で吐き気を伴う場合は、ロタウイルスであることが多いです。
とある患者さんのお話ですが、
と急ぎ受診しましたが、その方は、トマトを良く好んで食べていたそうです。
検査の結果、異常はなくトマトの色素が便に混じり血便に見えたようです。

何事もなくて良かったです
食べ物でも便の色に影響されることがありますので、受診前に食事内容も予め確認しておく事をおすすめします。
ちなみに嫁は抹茶系の飲み物を飲んだ翌日に、緑っぽい便が出ることが多いそうです。

『う◯ちが緑っぽかったよー!』
と報告してくれます。
ストレスなどが大きく関わる
環境が変わると便秘になりやすいです。
経験上の話になりますが、お年寄りが老人ホームなどに引っ越した後、多くの方は1ヶ月以内に便秘になりやすいです。
これは急な環境の変化によるストレスが原因と言われています。
環境に慣れたり、ストレスが軽減すれば、便秘も解消されることが多いですが、中にはずっと悩まされる人もいます。
食事内容等にも寄りますが、一週間以上便が出ない人もいますが、大抵は無症状なことが多いです。
但し、
- 身体から便の臭いがしてくる
- 嘔吐
- 腹部の異常な張り
上記症状がある場合は緊急性の治療を要する場合があります。
すぐに医療期間に受診してください。
便秘対策
ストレス溜めない
便秘の基準は曖昧ですが、ストレスが原因として関わっていることは多いです。
特に住まいなどの環境の変化で大きく表れます。
引っ越しをした後、自分が快眠できる寝具を使ったりなど、急な環境の変化でストレスを溜めないような生活を送るようにしましょう。
多少の便秘は気にしない
便秘を気にするあまり、便が出ないことで不安を誘いストレスになってしまうことがあります。
多少便秘が続いても気にしない精神的なゆとりを持ちましょう。
食生活の改善
便は食べ物の残りカスです。
食生活と便は切っても切り離すことが出来ません。
腸活
食物繊維多めにとったりなど、腸内フローラを改善することで便通改善の効果が期待できます。

嫁も私も腸活で日々快便です。
朝食は摂る
胃に食べ物が入ると、その重みで腸が目覚めて活発になります。
これを胃結腸反射と呼びます。
この反射により、腸の蠕動運動が活発になり自然な形で便が出やすくなります。
腸が活発になれば、便意に繋がりますので、朝は食べ物を摂取しましょう。
便秘薬の使用
便が出なくて不快に思う時は、便秘薬の使用も検討してみてください。
市販の便秘薬には大きく2種類あります。
刺激性下剤
腸内を刺激して、蠕動運動を強制的に引き起こすことで便秘改善を図ります。
便が極度に固くなっている時は、まず便を柔らかくしてから使用してください。
膨張性下剤
便に水分を含ませやすくして、柔らかくする為の薬です。
便が固くて出ない場合、出口で塞き止めてしまっている可能性が高いです。
水分をとり、膨張性下痢の使用で柔らかくしましょう。
規則正しい生活をする
早起きの習慣が身に付いている人は、目覚ましがなくても自然に起きる事が出来ます。
毎日同じ時間に寝起きすると、身体が習慣として覚え、便も同じタイミングで出やすくなります。
まとめ
- 1日~2日便が出なくても異常なし
- 便秘の基準は曖昧
- 白色・黒色・赤色の便は注意
- 便秘対策はストレスを溜めず、規則正しい生活を心がける
最後に
便は今現在の身体の情報を伝えてくれる良い指標となります。
ご自身の便をその都度チェックして、健康増進に役立ててみてはいかがでしょうか。
ではでは。