【動態】薬や食べたものは身体のどこに辿り着くのか?

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食べ物やお薬は身体の中に入った後にどうなるかご存じでしょうか?

今回は食べ物やお薬が体内に入ってから、どのような経路を辿るのかをお話したいと思います。

口から入って便になるか尿になるか

大まかな流れを先にお話しすると小腸で2つに分かれることになります。

口 → 胃 → 小腸 までの経路は同じです。

成分が小腸で吸収された後は 小腸 → 肝臓 ↔ 全身 ↔ 腎臓 → 尿 となります。

小腸で吸収されなかった物は 小腸 → 大腸 → 便 となります。

口から胃に到達

食べ物やお薬をゴクンと飲んだ後、まずに到達します。

胃の中では胃液と呼ばれる強酸で食べ物などをドロドロに溶かしてくれるのですが、実はこれはとても重要な働きをしています。

固形物であれば、3~4時間ほどかけてかゆ状に溶かされます。

 

人の体温は約36℃です。

つまり、真夏の炎天下と同じ温度ということです。

そんな温度の中に食べ物を放置していたらどうなるでしょう?

当然、腐ります

そんな環境下でも食中毒にならないのは、原因となっている菌を強酸で殺菌してくれているからです。

胃の働きは消化だけではなく、殺菌、食べ物の貯蔵も兼ねているのです。

膵液で中和

胃酸は強酸の為、そのままの状態で腸に運ばれてしまうと、腸がダメージを受けてしまいます。

なので、食べ物やお薬に付着している強酸を中和する必要があります

中和には膵臓から分泌される膵液や、腸から分泌される腸液が使われます

この膵液や腸液は中和だけではなく、食べ物を分解する酵素も含まれているので、ここでも分解されていきます。

大部分は小腸から吸収

膵液で中和された後、小腸に到達します。

お薬や食べ物の成分の大部分は小腸から吸収されます

小腸は吸収を効率良く行うために、表面がひだ状になっています。

このひだを全て広げると、テニスコート1面の4分の1に相当するので、ものすごい吸収効率となっています。

小腸の長さは約6mにもなります。

物質はこの長さを約8時間ほどかけて、ゆっくり栄養分を吸収されながら進みます。

大腸へ

小腸で吸収されなかったものは、そのまま進んで大腸に到達します。

大腸では主に水分と塩分が吸収されます

水分を吸収されながら進み、便として排泄されます。

大腸の長さは約1.5mほどで、こちらもゆっくりと吸収され、便を形成しながら進みます。

一般的に食べたものが小腸で吸収されるまでが約12時間

大腸を通過する時間が約12時間~24時間とされています。

しかし、食べ物による吸収速度の差や、個人差が非常に大きいです。

その為、食べたものが便として出るまでの時間が24時間~72時間とかなりアバウトに言われています。

肝臓で代謝

小腸から吸収された栄養は、ここでようやく血液中に移行するのですが、まず肝臓に運ばれます。

肝臓は毎分1.5Lもの血液が流れ込んでます。

その為、肝臓の血液量は非常に多く、身体全体の血液の10%近くにもなります。

食べ物のレバーの色が赤いのは、肝臓に豊富な血液がある為です。

 

肝臓は代謝や無毒化する臓器です。

最初に肝臓を通ることで、もし有害な物質が体の中に入っても、肝臓で代謝されて弱まるようになっています。

アルコールの吸収、代謝などが良い例ですね。

肝臓の代謝酵素は2000種類以上もあると言われています。

血液検査などで、ASTやALT、γGTPなどの項目を見たことはありませんか?
あれは肝臓の細胞内にある酵素で、数値が高いと細胞から外に酵素が流れ出している=肝障害などの指標となります。

肝臓の役割は非常に多く、先程お話しした解毒や代謝だけではなく、グリコーゲンの貯蔵血糖の調節などのエネルギー代謝にも大きく関わります。

小腸での脂肪分の吸収に役立つ胆汁酸も肝臓で作られているのです。

胆汁酸は肝臓のすぐ下にある胆嚢で作られると誤解されることが多いですが、肝臓で作られいて濃縮される場所が胆嚢です。

人の手で肝臓の機能を再現しようと思ったら、東京ドーム以上の広さの工場が必要になるとも言われています。

肝臓は再生能力も高く、肝臓を7割切り取っても再生します。

それほど体の中では優れた臓器です。

 

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全身の組織へ

肝臓で代謝されるといよいよ全身に巡ります。

血流に乗り、身体の隅々まで行き渡ります。

胎盤はデリケートで、通る物質通らない物質があります。

血液脳関門血液胎盤関門と呼ばれ、関所のようなものです。

妊婦さんに使いにくいお薬も、この関所を簡単に通れてしまうお薬が関係しています。

排泄は腎臓で

身体を巡った成分は腎臓に辿り着きます。

腎臓では成分の排泄や再吸収を行っています。

なぜ再吸収を行うか?

再吸収を行わないと、あっという間にミネラルや水分が不足に陥ってしまう為です。

腎臓では1日180Lもの血液量が流れ込み、ろ過を行っています

そのうちの99%は再吸収されて再利用されます。

残りの約1%(1.5L)は尿として排泄されます

 

腎臓で排泄されなかったものは、また巡りめぐって肝臓に帰ってきて代謝を受けます。

そしてまた全身へ巡り腎臓へ。

この繰り返しとなります。

最後に

お薬や食べ物が身体の中でどのような経路を辿るかお分かりいただけましたでしょうか。

他にも紹介していない経路がありますが、大まかにはこんな感じの経路を辿ることが多いです。

臓器は大切にしましょうね。

ではでは。

参考文献
添付文書がちゃんと読める薬物動態学
大正製薬 商品情報サイト コーラック

 

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