薬剤師の免許を取るのであれば薬学部への入学は必須です。
では、薬学部とはどんなところなのでしょうか?
今回は私が薬学部で6年間過ごしてきたお話です。
これから薬学部を目指したい方、薬学部にいる方、薬学部・薬剤師に興味がある方の参考になれば幸いです。
お金がかかる
薬学部は授業料が凄く高いです。私大の薬学部ならなおさら高いです。
おおざっぱですけど私大の理工学や経済学部の倍はかかっていたかと思います。
私はお金がなかったので当然のごとく奨学金を借りていました。

そして今30代ですが、今でも返済しています。
薬剤師に無事になれれば月々の奨学金を返せるぐらいのお給料はおそらくもらえます。
でも、留年とかになれば経済面で悲惨な思いをするので、お金がない人は絶対に留年せずに現役で薬剤師になってやる!という覚悟がなければやめた方が良いです。
あとは教科書代も高いです!!
専門書だから仕方がないにしても、1学年で普通に数万円以上とんでいきます。

あのときメルカリとかがあれば絶対利用してましたね~。
今薬学部に入った人は絶対教科書は知り合いとかメルカリとかから調達した方が良いです。
カリキュラム
そんなこんなでお金がかかる薬学部ですが、私の時はカリキュラムが全て指定されていました。
現在はどうかわかりませんが、私の時は各教科の時間割が全て組まれていました。
『卒業までに何単位必要だからこの講義とあの講義に出席しよう』
とかいう自由度は一切無しです。

高校や中学の時間割みたいなものですね。
私は6年制のカリキュラムでしたので、午前中が講義で午後は自由時間でした。
4年制の頃と比べてだいぶ緩くなったと思います。
午前中に終わるので、各々がサークルであったり部活であったり、遊びであったりと好きな時間を過ごします。
バイト
ちなみにむかたけはバイトばかりしてました。

サークル?部活?なんでしょうそれは??
当然です。お金がないのですから稼ぐしかありません。
しかも経済的に絶対留年が許されなかったので、バイト以外の午後の時間などはずっと勉強していました。
月:AM:講義:PM勉強
火:AM:講義:PM勉強 夜勤入り
水:AM:夜勤明けでそのまま講義 PM勉強&寝る
木:AM:講義 PMバイト
金:AM:講義 PM勉強
土:バイト
夜勤の頻度はその時々でしたけど、大体休みなく動いてましたね。
若さの成せる技ですね。

今はもう不可能です。体が保ちません。
ちなみにバイトはコンビニや居酒屋です。
今思えばバイトはしていて良かったなと思います。
今の私の接客業や仕事におけるペース配分などはもとはコンビニや居酒屋が元になってますから、学生の時に社会勉強しておいて良かったと思います。
バイト先が接客に厳しすぎて何度も辞めてやろうと頭をよぎりましたが、辞めなくて良かったです。

バイト先の店長や先輩方には今でも感謝しています。
勉強
勉強に関してはしっかりと復習していればついていけると思います。
高校どころか中学レベルの内容の講義もありましたから、1年や2年は基礎を固めることを重点としたカリキュラムっぽかったです。
ですが、いくら勉強しても試験が難しすぎる科目も中にはありました。
そこで活躍するのが過去問です。
教授も毎回毎回問題を作るのが面倒で、過去問からそのまま出題する場合も多かったので、試験をパスするのに過去問の入手は絶対条件でした。
むかたけはバイトの先輩が同じ薬学部であった為、ここで入手したり、友達が部活やサークルに入っていたので横の繋がりから入手していました。
試験前になると構内のコピー機は過去問をコピーするために長蛇の列になります。
正直、過去問がないと通らなかったであろう試験もあるので、薬学部に入ったら縦や横のつながりは持っておいた方が良いです。
人づきあいが苦手な人にとっては酷かもしれませんが、これも薬剤師になる為の戦略と思って頑張って下さい。
それが無理であれば自分で死に物狂いで勉強して頑張るしかありません。
ちょっと厳しめなことを言いましたが、安心してください。
むかたけもなかなかのコミュ症ですが、それでも学部内で友達や先輩等のつながりが出来たので、普通に人間と話せるレベルのコミュ力があるなら問題ないと思います。
実習
3年以降に入ってからは午後に実習が入ります。
実習というのは化学的な実験やマウスの解剖などを行います。
この実習、1単位でも落としたら高確率で留年が確定するので絶対に出席しないといけません。
私は血やグロい系が本当にダメなので、マウスの解剖は絶対に参加したくなかったのですが、留年がかかっているので仕方がありません。
腹をくくってマウスの解剖に臨みました。
薬学部ではヒトの解剖は行いませんが、マウスの解剖程度は普通に行います。
私も最初はびくびくしていましたが、不思議と慣れますので、不安に思っていても大丈夫です。
命を軽んじるようになる訳ではありませんのでご安心を。グロさに慣れるという意味です。
実務実習前の試験
4年から5年に上がる時にCTBとオスキーと呼ばれる試験があります。
これは、5年次に病院や薬局に実務実習に行くのですが、実習に行く前に最低限の知識や技能があるかを見る試験のことです。
CBTは座学でオスキーは実技試験です。
この試験で何人かふるい落とされますが、大体真面目に授業を受けていれば問題ない内容です。
オスキーは注射薬の調整、散剤を正しく秤に測って下さいとか軟膏を正しい手順で容器に詰めて下さいとかでした。
運転免許の試験のようなものなので、事前に対策をしていれば大体受かります。
むかたけも問題なくクリアしました。
実務実習
そして5年目になり、いよいよ実務実習です。
病院と薬局の実習を3ヵ月ずつ行い、大学での座学で残りの時間を勉強するのが5年目のカリキュラムです。
この時の薬局実習の印象がすごく良かったので、調剤薬局に就職したくなったんですよね。
その話はまた後日紹介することにしましょう。
就活と卒試・国試勉強
そして6年目は就活と大学での座学及び薬剤師国家試験の為の勉強です。
むかたけはこの頃にお酒を覚えてしまって毎日講義や勉強の後に飲みに行ってました。

今思えはこの頃にバイトしていたお金の大半は飲み代に消えていた気がします・・・。
皆さんもお酒はほどほどにしましょう。
就活に関しましてはなんとか希望していた調剤薬局で内定をいただく事が出来ました。
緊張しすぎて面接で噛んでばかりいましたが、何とかなりました。
これで国家試験を合格した暁には、調剤薬局で薬剤師として働けることとなったので一安心です。
内定が決まった後は勉強に専念です。
勉強に関してはいままで真面目にやってきた貯金があったからか、意外と学部内で上から数えた方が早い順位にはいました。
6年目は二日酔いと闘いながら図書館や講義室に缶詰状態でずっと勉強していた印象です。
国家試験の前に卒業試験があります。
国家試験の勉強をしっかりやっていれば大半は問題ありませんが、油断できません。
これに通らなければ国家試験が受けられないですからね。
国家試験を受ける要件の一つが、薬学部卒業見込みです。

要は薬学部の卒業が出来ない人は国家試験は受けれませんよということです。
薬学部の各大学で国家試験合格率が高いのも、ここでふるい落とされる人がいるからです。
逆にここで受かってしまえば、国家試験合格は目と鼻の先ということになります。
薬剤師国家試験
卒業試験も問題なくクリアし、あっという間に薬剤師国家試験の日がやってきました。
国家試験は2日間で行われます。
試験の怖いところが足切りが存在することでした。
国家試験の科目はたくさんあります。
有機化学、公衆衛生学、薬理学、病態学、法規関連に関わる科目もありました。
いくら点数が良くても1科目でも合格ラインに満たなければ即不合格。
そんな足きり制度があったので、万遍なく勉強する必要がありました。

むかたけは、薬理学は得意だったのですが、有機化学が不得意でしたので苦労したのを覚えています。
2日間の試験が終わり、結果が出るのは半月~1ヵ月ほどですが、自己採点で合格かどうかはすぐにわかります。
結果は無事に合格してました。
ようやくここで一息つけた感じですね。
その後は希望していた調剤薬局に就職しました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
これはむかたけの時のことで、もう10年以上前のことなので現在とは違うかもしれませんし、記憶違いもあるかもしれませんが大まかにはこんな感じで薬学部を過ごしてきました。
これから薬学部を目指したい方、薬学部にいる方、薬学部・薬剤師に興味がある方の参考になれば幸いです。
ではまた。