皆さんは二日酔いって経験したことありますか?
二日酔いで後悔する人、苦しむ人って多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、お酒との付き合い方が今より上手になるかもしれませんね。
アルコールの吸収と酔いの関係
お酒は飲んだ後、約20%が胃で、約80%が小腸で吸収されます。
全て吸収されるのに大体1~2時間はかかります。
ですので、飲んだ量の相応の酔いが来るのは少し後になります。
既に吸収された分の代謝も同時進行で進んでいるので、身体の中でアルコールが溜まる一方ではありませんが、お酒が小腸から吸収されるにはある程度の時間がかかるということです。
ここがお酒の怖いところです。
飲み会などで酔いが回ってきて、盛り上がる時間はおおよそ1時間前後ぐらいだと思います。
その頃にやってくる酔いというのが、序盤で飲んだお酒達です。
通常、空腹の場合を除き、お酒などの飲料が小腸にたどり着くまで約20~30分かかります。
その為、飲み会開始から30分~1時間ほどにかけて一気に酔いが進むケースが多いです。
まさにここからが本番です。
先ほど吸収は約20%が胃、約80%は小腸と申し上げたように、今までの何倍もの量のアルコールが血中に入り始めます。
そのときに酔いが足りないからといって、調子に乗って何本もグラスを空けていると悪酔いします。

自分のペース配分や限界量を知らない人が陥りやすいので、気を付けるようにしましょう。
アルコールの代謝
アルコールは胃や小腸から吸収された後、最終的に肝臓で2段階の代謝が行われます。

この代謝経路は有名ですね。
最終的にアルコールが水になるので、お酒を飲むとトイレが近くなるのはこの為です。
アルコールには利尿作用といって、尿を出しやすくする作用もあるので、利尿作用も相まって脱水しやすくなります。
ですので、脱水をしないためにお水を挟みながら飲むことをおすすめします。
オルニチン
シジミに豊富な成分のオルニチンは二日酔いに効くことで有名ですが、直接オルニチンが二日酔いに効くわけではありません。
オルニチンは肝臓で尿素サイクルという経路で、人体にとって有毒なアンモニアを無毒な尿素へ変換する為の材料となっています。
アンモニアを無毒な尿素に変えることで、肝臓はよりエネルギーを生み出せるようになり、代謝機能を保つことができます。
ですが、オルニチンがないと尿素回路は上手く機能せず、アンモニアが溜まるのと同時に肝臓の代謝能も落ち、結果エネルギー産生が追い付かず肝臓は疲弊するのです。
ですので、オルニチンとアルコール代謝というのは直接的には関係はなく、あくまで肝臓の働きをサポートするに過ぎません。
もうひとつ注意点があります。
二日酔いに対するオルニチンの有効性についてです。
数多くの試験では『アルコール摂取後にオルニチンを投与し、翌朝の二日酔いの程度をアンケート調査した』と言うケースが多いです。
つまり、オルニチンを摂取するのであれば、二日酔いになった当日ではなく、お酒を飲んだ後、もしくは同時に摂取しなければちゃんと効果が現れない可能性がありますのでご注意ください。
お酒の強さは個人で違う
お酒の強さは主に3つのタイプがいます。
1つ目のタイプは、よくお酒を飲んだ後すぐに顔が赤くなる人です。
これはアルコールの代謝は早いが、アセトアルデヒドの代謝は遅い人にありがちです。
このタイプは少量のお酒で頭痛や吐き気を催す人達が多いです。
2つ目のタイプは『酒豪』や『ザル』といった、お酒が強いと呼ばれる人達です。
このタイプはアルコール代謝もアルデヒド代謝も出来る人です。
3つ目のタイプは、飲んでる時の見た目は変わらないが、翌日に二日酔いが酷くなる人。
このタイプはそもそものアルコールの代謝が遅いタイプの人です。
アルコール → アセトアルデヒド への変換が遅いため、時間差で頭痛や吐き気が長引きます。

むかたけもおそらくこのタイプです。
実は3つ目のタイプは一番危険で、アルコール依存症になりやすいとされています。
見た目が変わらないのでお酒が強いとされがちですが、お酒が強いほど危ないのです。
アルコールの残存時間が一番長いため、耐性、依存形成されやすいといわれています。

過去の遺伝子検査でむかたけはアルコール依存症のリスク高めでした。
アルコール依存症のリスク
ちなみに、このアルコールの代謝酵素は遺伝的な要因が多く、訓練等では増やすことが難しいとされています。
『お酒飲み続けてたら強くなった!』
と言う声を良く聞きます。
これは脳がアルコールに対する耐性を獲得することによる要因が大きいのです。
簡単言えば、脳がアルコールに慣れてしまい、今までの量では酔えなくなってしまうと言うものです。
先ほどのむかたけのようなタイプで、アルコール依存症になりやすい理由はここにあります。
アルコールは耐性だけではなく、精神依存も形成しますので、耐性により今までの以上のお酒が必要になればその分だけ精神依存のリスクも増します。
しかもアルコールに曝されている時間が長い。
こんな形で負のスパイラルに入りやすいのです。
アルコール依存症についてはここでは詳しくはお話しませんが、自身のみならず周りの人達にも良くない影響を与えてしまいます。

もし、少しでもアルコール依存症に思い当たる節があれば、早期に医療機関へ受診してください。
二日酔い
お酒を飲む人の大半が経験するであろう二日酔いですが、その原因として最も有力な要因はアセトアルデヒドです。
しかし、アセトアルデヒドのみならず、二日酔い症状はアルコールを摂取することで脱水やその他諸々の症状が複雑に絡み合うことで形成されています。
残念ながら特効薬はありません。
その為、二日酔いにならないように対策するか、二日酔いになった時はひたすら休むしかありません。
二日酔いの予防策
二日酔いにならないためには、2パターンの方法があります。
- 肝臓の機能を保つには先ほどのオルニチンやウコン等を摂取する方法です。
2つ目は、アルコールの吸収を少しでも遅らせる方法です。
- アルコール摂取時に水を挟みます。
チェイサーを挟むのは非常に効果的です。脱水予防にもなります。 - おつまみなどで胃に何かしらの食べ物を入れて吸収を遅らせる。
おつまみも油ものとかだと食欲増進でお酒も進むので、ちゃんとコントロールしてくださいね。
二日酔いになってしまったときの対処
それでも二日酔いになってしまった時は、寝てください。
水分補給して寝るのが最も有効です。
脱水していると血液の巡りが悪くなり回復が鈍ります。
その為、水分補給は必須です。
個人的おすすめはOS-1などの経口補水液です。
これは二日酔いの脱水にうってつけです。
『飲む点滴』と言われている程ですので、脱水にはすこぶる効きます。
そして、水分補給したら横になってください。
横になれば肝臓へ血流が集まりやすくなります。
後はひたすら肝臓を労って休んで下さい。
二日酔いの時は、この世の終わりと思えるぐらい体調が悪くなりますが、時間をかければ必ず症状は改善します。
『今この瞬間が二日酔いのピークで、後は回復しかない』
そう思ってひたすら耐えましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回はお酒の怖い面を中心に紹介しましたが、お酒にも良い面はたくさんあります。
人とのコミュニケーションも捗りますし、身体の中でも良い反応を示すことも認められています。
むかたけが増やしたいHDLコレステロールを増やすという報告もあるぐらいです。
お酒と上手く付き合えれば、きっと『百薬の長』と呼ばれるに値する価値があるかと思います。
お酒はほどほどにしましょうね。
ではでは。