最近はそんな声が多くなっています。
変異ウイルスに対しては、ワクチンが効きにくい、もしくは効かないケースがあります。
それは何故でしょうか?
今回は、変異ウイルスに対するワクチンの効果についてお話します。
変異ウイルスとは?
ウイルスは生き残る為に、他の生物に感染して自分のコピーを作り出します。
これにより、少しでも生存率を上げようとします。
しかし、ヒトの細胞分裂などのコピーと比べて、ウイルスのコピーは粗雑であることが多いです。
コピー能力が粗雑だと、出来上がったコピーはオリジナルと比べて若干異なった仕上がりになる事があります。
これが変異と呼ばれるものです。
変異ウイルスとは、エラーを含んだままコピーされて、元のウイルスとは少し違ったウイルスになったものを指します。
一般的なワクチンの仕組み
変異ウイルスに対してワクチンが効きにくくなってしまうことをお話する前に、ワクチンの仕組みについてお話します。
あくまで予防接種
ワクチンは、予めウイルスに対する免疫を備えておくための物です。
身体の免疫は、ウイルスのタンパク質などの情報を元に、免疫細胞や抗体と呼ばれる免疫物質を作り出します。
身体に記憶されているウイルスが侵入した際に、型の合った抗体があれば即座に免疫細胞が応答し、ウイルスを排除することが可能となります。
妊活中にインフルエンザ予防接種は胎児に影響する? | にほん妊活ばなし | 葉酸サプリメントおすすめランキング2018 (yousan-ninkatsu.jp)より引用。一部改変
という声を良く耳にします。
ワクチンはあくまで事前に投与して効果を発揮します。
すなわち、予防接種ということになります。
ワクチンが効きにくい
ワクチンは、身体の免疫を準備させる為にあります。
免疫に記憶・準備してもらう為なので、ワクチンはウイルス情報の塊のようなものです。
身体の免疫はウイルスのタンパク質などの情報を読み取り、即座に反応出来るように待機します。
しかし、ワクチンの情報とは異なる型の変異ウイルスが現れることがあります。
ワクチンで身体の中に備わった免疫は、あくまでもワクチンのウイルス情報の型に対応出来るようになっています。
変異が起きたウイルスは、ワクチンのウイルス情報とは異なる場合が出てきます。
ウイルスの型が違うと上手く免疫が応答せずに、反応が遅れてしまったり、免疫が機能しないということもあります。
その結果、体内でのウイルスの増殖を許してしまう為、ワクチンが効きにくくなるといわれています。
スパイクタンパク質の変異が重要
ウイルスがヒトに感染するためには、ウイルスの表面にあるタンパク質が、宿主(感染される生物)の細胞表面のタンパク質に結合する必要があります。
ウイルスの表面にあるタンパク質はスパイクタンパク質と呼ばれています。
新型コロナウイルスの変異と感染予防策 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)より
ヒトの身体の免疫も、このスパイクタンパク質の形を読み取り、その情報を元にして抗体が作られます。
スパイクタンパク質は、ウイルスが変異する度にその形が変わります。
その為、ウイルスが変異すると、スパイクタンパク質も変わってしまうので、免疫反応が上手く働かなくなってしまう恐れがあります。
受容体への結合力が強くなる
変異すると、スパイクタンパク質の形が変わり、免疫がうまく反応しなくなる恐れがありますが、それだけではありません。
形が変わると、ヒトの細胞表面の受容体(タンパク質)への結合力も増してしまう恐れもあります。
結合力が強いとそれだけ細胞内への侵入を許しやすくなってしまう為、感染の原因に繋がってしまいます。
免疫反応は補強される
変異ウイルスにより、ワクチンのウイルス情報と型が違っていても、類似しているものであれば、身体は反応することができます。
型が一致することが望ましいですが、似ている型でも対応出来るように、身体の免疫は待機しています。
ワクチン接種により、通常よりも素早く免疫が反応してくれます。
その為、身体の中でウイルスが一定数増える前に排除する確率も高まります。
とよく言われますが、それはワクチンのウイルス情報と、それに類似するウイルスに対する反応が素早くなるということです。
最後に
新型コロナウイルスワクチンを接種済でも、陽性になってしまう事例が増えて来ました。
少なからず変異種が絡んでいる事と思われます。
手洗いうがいマスクをして、感染対策に努めましょう。
ではでは。