【血圧】 塩分摂取量 塩分制限しないといけない理由

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血圧のために塩分を控えないといけない理由。

なんとなく良くなさそうだから。』

という理由になっていませんか?

ここでは、なぜ塩分を制限をしなければいけないのか?ということについてお話していきたいと思います。

身体の中の塩分の役割

塩分の化学構造式はNa-Clです。

ナトリウム(Na)塩素(Cl)の組成になっています。

身体の中でナトリウム(Na)というのは非常に重要な役割を果たしています。

Naが細胞に入ったり出たりすることが身体の反応を引き起こすスイッチもしくは引き金になっています。

 

重要なところだと、神経の伝導・伝達や心臓に流れる電気信号に関わります

細胞の中と外の行き来の方法はいくつかありますが、濃度差を利用して行き来しているものもあります。

局所麻酔
Naが神経細胞に出入りすると痛みの信号が走ります。
このメカニズムを応用したのが局所麻酔です。
局所麻酔はNaが神経細胞の出入りを防ぐことで痛みを感じなくなるように作用します

 

要は多すぎても少すぎても身体は異常を引き起こしてしまいます

これは心臓腎臓が大きく関わっています。

身体の中の塩分は汗や尿などの排泄で、みるみるうちに減ってしまいます。

それを防ぐのが腎臓です。

生き物が陸の上で生活するようになる前は海にいました。
私たち人間も、もとは海中で生活していた生き物です。諸説ありますが、その名残から私たちの細胞外液の成分比率は海の組成と似ています
(濃度は海水の方がめちゃ濃いですが)

腎臓と心臓

腎臓は血液を濾過して身体にとって不要なものをおしっこと一緒に排泄してくれます。

この時、ミネラル分のバランスも一緒にとっているのが腎臓です。

腎臓は1日でおよそ180Lもの血液を濾過しています。
180Lはおおよそお風呂の軽く浴槽1杯分ぐらいです。
そのうち約1%の1.5Lは膀胱に溜められておしっことして排泄されます。
残りの99%は再利用されます。

先ほど身体のNaの濃度は濃すぎても薄すぎてもダメと言いました。

腎臓はNaの濃度を薄める為に排泄する水の量を減らして、身体の水分量を増やします

 

増えた水分量は浮腫や血液量の増加に繋がります。

血液量が多いままだと、血液を送り出している心臓への負担が大きくなります

このまま心臓に負担がかかり続けるのは良くないので、腎臓から身体の水分を外に出します

 

そのためには心臓から出る血液の勢いを上げて、どんどん腎臓に血液を送り込まなければなりません。

しかし、ここで血管内の口径が広かったり、血管自体が緩くなっていたりすると腎臓まで目的の血液がなかなか届きません。

 

そこで腎臓は、血管を締めて血圧を上げる、『レニン』と呼ばれるホルモンを作り出します。

 

このレニンが身体の中で反応して、更に血圧を上げるホルモンにパワーアップしていきます

 

これが塩分過多で血圧が上がってしまうメカニズムです。

長くなりましたが、ざっくり説明すると、

 

  1. 塩分過多!薄めるために血液量を増やす
  2. 血液量が増えたは良いけど、今度は心臓に負担がかかる
  3. 腎臓を使って血液量を減らす為、血圧を上げて多くの血液が腎臓に届くようにする

 

こんな流れです。

 

ちなみにこれには続きがあります。

多くなった血液量を処理するためにどんどん腎臓に血液が流れ込みます。

腎臓の中の血管も、どんどん送り出さないと間に合わないので、腎臓の血管も圧を上げて濾過の勢いを増してあげます。

結果、心臓にも腎臓にも負担がかかってしまいます

 

一時的に塩分が高いときは良いでしょう。

しかし、これが毎日毎日続いたらどうでしょうか

さすがに心臓も腎臓も、疲れて根を上げるのではないでしょうか?

 

血圧の治療が一時的なものではなく、生活習慣の是正に重点を置いているのはこういった理由でもあります。

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塩分の量

血圧を下げるにはどうすれば良いか?

まず生活習慣の改善です。

 

生活習慣の改善を1~3ヶ月試してみてダメなら、お薬も検討します

すでに生活指導を受けてる方は耳にタコですが、塩分制限が大事と言われています。

 

厚生労働省が出している日本食事摂取基準でも、新しくなるにつれて塩分の摂取量は引き下げられています。

  • 「日本食事摂取基準2010」では成人男性9g、成人女性7.5g。
  • 「日本食事摂取基準2020」では成人男性7.5g、成人女性6.5g

この10年間で摂取基準が随分厳しくなってきています。

それほど塩分が身体に影響を与えることを国も懸念しているということが考えられます。

 

「高血圧治療ガイドライン2019」や「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」では塩分は1日6g未満の摂取にするよう言われています。

WHO(世界保健機関)の一般成人向けのガイドラインでは、1日5g未満が目標値とされています。

日本の食塩摂取目標量も、今後厳しくなるかもしれませんね。

 

豆知識ですが、少し前まで食品の成分表示で『食塩相当量』ではなく『ナトリウム量』として表示されていたことがあります。

 

『ナトリウム量』だと、初見で塩分がどれぐらいになるかわかりませんものね。

細かい説明は省きますが、ナトリウム量に2.54を乗じれば、食塩相当量になります。(Na:CLが 23 : 35.5 の組成な為)

例: ナトリウム含有量 500㎎の場合。
500×2.54=1270㎎(1.27g)
この1.27gが食塩相当量になります。
2015年に法改正があり、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」が一元化され「食品表示法」になりました。
2020年4月以降に製造された物は『ナトリウム量』ではなく『食塩相当量』と表示しなければなりません。
その為、2021年3月現在では既に『食塩相当量』の記載となっている食品が多いですが、長期保存の食品とかだとたまに『ナトリウム量』表記があるかもなので、ご参考下さい。

どうすれば塩分制限できる?

一番の方法は『塩分が多い食事を摂取しない』ということです。

それが出来れば苦労しない!』

という声が上がってきそうですね。

いくつか減塩の方法がありますので、よろしければご参考下さい。

麺類の汁は残す

ラーメンを例にしますが、しょうゆラーメンは約6gの塩分量ですが、スープをすべて飲み干せは約8gほどに跳ね上がります。

しかし、スープを半分残せは、塩分量は約5gに抑えられます

その差約1gですが、小さなことからコツコツと行うことが大事です。

ちなみに塩>しょうゆ>とんこつ>みその順で塩分量が多いと言われています。
ただ、スープの塩分量は各ラーメン屋さんの調理法や具材によって左右されますので、個別の塩分量を知ることが大事です。

かけるのではなくつける

しょうゆやソースを食品に使うときはかけるのではなく、つけるということを心がけてください

とんかつなどにソースをたっぷりかけた場合、塩分量は1g程度となります。(大さじ1杯強)。

つけた場合だと、塩分は0.3g程度に減ります。(小さじ1杯)。

調味料を変える

今では減塩醤油など、塩分を考えている調味料はたくさんあります。

味噌汁などの調理では、できる限り味噌を減らし、かつお節や昆布などの天然だしでだしをとるようにすると減塩に繋がります。

先程のとんかつにかけるソースも、レモン汁やポン酢、その他の減塩の調味料に変えるだけでかなりの減塩効果を望めます。

最後に

減塩で大事なことは小さなことの積み重ねと、ご自身の塩分摂取量を把握することです。

塩分6g未満を守り続けるのは辛いと思いますが、臓器を休ませてあげることも大事です。

皆さんも塩分には気を付けるようにしましょうね。

ではでは。

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