【睡眠】睡眠のメカニズム② 最適な睡眠時間やタイミング

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前回は睡眠のメカニズムを中心にお話しました。

今回は睡眠に関する雑学や豆知識を中心にお話をしたいと思います。

こどもの睡眠時間

こどもに必要な睡眠時間

学業を適切にこなすには、少なくとも7時間20分の睡眠時間が青年期のこどもたちには必要とされています。1)

平日の睡眠時間に注目した場合、

  • 小学生では8時間前後
  • 中学生では7時間前後

上記の睡眠時間をとっている児童、生徒の学力が最も高いとされています。

そして、睡眠不足だけでなく睡眠過剰も、学力に負の影響を与えている可能性があるとされています。2)

 

こどもの成長にはホルモンバランスが非常に重要です。

「睡眠関連ホルモンの計測」では、成長ホルモンは睡眠とともにピークが移動するとされています。

メカニズムは明確になっていませんが、成長ホルモンが出にくくなる試験薬を投与した結果、ピークが消えたことから、成長ホルモンと睡眠は密接に関係しています

ストレスホルモンであるコルチゾールのピークは睡眠によらないが、睡眠により分泌は抑制されます。

成長ホルモンとは、読んで字のごとく、成長を促してくれるホルモンです。
筋肉や骨だけではなく、体の臓器の代謝、成長に非常に重要なホルモンです。
コルチゾールエネルギー系統免疫系統に主に作用しますが、ストレス時に分泌が盛んになることからストレスホルモンと呼ばれています。
代謝を抑制する一面があり、筋肉や免疫の活性の妨げになるケースも知られています。

思春期後期に成長ホルモンの分泌が最も盛んになります。

その為、この時期の子どもは良く食べて、良く運動して、良く寝た方が良いのです。

寝る子は育つ』とはよく言ったものですね。

ちなみに、子供ほどではありませんが、大人でも成長ホルモンは分泌されています

眠らないとどうなるか

断眠の限界

断眠とは文字通り、眠りを断つことです。

すなわち起き続ける事を指します

ある論文で、100時間(約4日)に渡る断眠の記録があります。3)

1日目  :何ともない

2日目  :徹夜明けのような爽快感や気分が上がる。

3日目  :会話しても目をちょっと話しただけで目を開けたまま寝る。外から刺激しないと起きない

4日目  :変なことを言い出し、幻覚が出始める。それ以上は脳が危ないということで中止。

個人差はありますが、何日も断眠した後に眠っても、起きてた時間と同じぐらい寝るというわけではありません。

この実験では、おおよそ半日程の睡眠で身体のリズム等は元に戻ったそうです。

 

睡眠不足が続くと目を開けたまま10秒ぐらいの極めて短時間の眠り(マイクロスリープ)の脳波が表れます。

不眠状態で出現する幻覚は、起きてる間に寝てしまったが故の夢のようなものとされています。

数々の実験から、現在では断眠の限界時間はおおよそ200時間ということになっています。ちなみに断眠の世界記録は264時間12分(約11日)です。

 

身体に良くないので、絶対に真似をしないで下さいね。

睡眠時間を減らしたい人へ

睡眠時間が長くて困っている人もいるでしょう。

睡眠時間を意図的に短くした時の影響を見た実験があります。

 

平均8時間寝てた人が、2週間に1時間ずつ睡眠時間を減らして、数週間後に睡眠時間を5時間にしたら特に変わりはありませんでした。

しかし、実験を継続し、睡眠時間を4時間にしたら注意力が散漫になり、仕事等のミスが増え始めた結果となったそうです。

 

極端な場合を別にすれば、平均的には短い睡眠時間は5時間程度が限度といえます。

ショートスリーパーで調子が良い人もいるので、睡眠時間については『何時間眠らなければ駄目だ』という考えは持たない方が良いかもしれませんが、ご参考までに。

朝の目覚めが良くない

私は低血圧だから朝が弱い

こんなセリフ聞いたことないですか?

これは低血圧だから朝起きにくいのではありません。

原因は体温の推移にあるとされています。

 

体温が高いときは代謝が活発でエネルギーが充実しています。

体温が高く、活動的な状態だとなかなか眠れません。

高い体温が下がってくるタイミングで眠くなってくるのです

逆に体温が上がってくるタイミングが起きるには最適といえるでしょう。

お風呂で睡眠の質向上

お風呂に入ることは睡眠の質の向上に繋がります。

寝る1~2時間前にお風呂に入ることで、睡眠時には体温が下り坂になり、寝つきが良くなります。
長風呂や暑めのお湯などは身体が活発化してしまう為、睡眠の質が低下する恐れがあります。
38~40℃で15~20分の入浴か、もしくは半身浴などがおすすめです。

朝型と夜型

朝型の人の体温リズムは昼間高くて夜低い。(夜中の2時頃に一番低い)

夜型の人はピークが5時間後ろにずれます

「眠りの科学」より

つまり、朝が弱い人は体温調節リズムが夜型の傾向にある可能性が高いのです

大事なことは朝型が良い、夜型が悪いという事ではなく、自分の型に合わせてしっかりとした睡眠をとるということです。

 

高所から落ちる夢

寝ている時に急に身体に電気が走ったように、ビクっ!となる時はないですか?

あれはジャーキングという現象です。

私も居眠りするときはジャーキングし放題です。

 

電車やバスの中とかでビクッ!ってなっちゃうと恥ずかしいんですよね。

 

メカニズムはまだ解明されていませんが、一番有力な説は脳の誤作動です。

寝ているときに筋肉は弛緩していますが、何かの拍子に脳は筋肉を収縮させる信号を出してしまいます。

よく夢で高いところから落ちたり、足場を踏み外す夢がありますが、まさにその瞬間ですね。

 

ジャーキングは疲れが溜まっていたり、椅子に座ったりなど身動きがとりづらい場所で寝てたりと、不自然な状態で寝ている時に起きやすいとされています

ジャーキングでびっくりするのが嫌であれば、ストレス疲れを溜めず、自分が窮屈に感じない寝具を選びましょう。

 

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集中力が続く時間

睡眠からは少しだけ脱線しますが、人の身体は90分~120分周期で頭がウトウトするリズムがあります。

緊張を持続させ、集中出来る時間が90分と言われています。

 

小さなこどもは集中力が短く、大人になるにつれて持続できる時間は90分に近づきます。

学校の授業時間は良くできています。

  • 小中学校は45分
  • 高校は50分
  • 大学は60分~90分

上記のように設定されているケースが多いです。

ちゃんと生徒の集中時間の事を考えて設定されているのですね。

最適な昼寝時間

よく薬局に来る高齢者が、夜眠れないということで睡眠導入剤を希望します。

しかし、話を聞いていると、昼寝をがっつりしているそうな…

 

一定時間以上寝るとアデノシン等の疲れ物質は減ることが確認されています

当然、夜の時点では疲れ物質が少なくなっており、眠れなくなるのも無理はありません。

 

一般的に深いノンレム睡眠をとればとるほど疲れ物質は除去されます。

ノンレム睡眠は4段階あると以前お話しました。

 

睡眠はノンレム睡眠レム睡眠を繰り返す周期となっています。

浅いノンレム睡眠 → 深いノンレム睡眠 → レム睡眠

この周期を約90分で繰り返します。

「睡眠の調節メカニズムと睡眠を制御する食品成分」より

寝入ってから10分程度でノンレム睡眠の第1段階~2段階へ移行。

そして、およそ20分で第3段階へ移行します。

この時に起きると寝覚めが悪く、起きたあと倦怠感も残ります。

 

理想はノンレム睡眠の第2段階までで起きることです

夜に眠りたいのであれば、昼寝はしない方が無難でしょう。

我慢出来ない場合でも、10~15分の短時間で起きるようにすると、夜の睡眠の妨げ要因が減ります。

最後に

いかがでしたでしょうか?

睡眠は身体作りの土台となります。

日頃から質の良い睡眠を心がけたいものですね。

ではでは。

参考文献
1)「Wolfson&Carskadon(1998)」
2)文部科学省研究委託事業「学力調査の結果に基づく検証改善サイクルの確立に向けた実践研究」の成果報告書(2008年)
3)眠りの科学(1995)

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