【漢方薬】便秘気味のぽっこりお腹には防風通聖散がおすすめです!

薬局業務
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本記事は私の薬剤師業務のあんちょこ、備忘録として記録しています。

ここでは漢方薬の『防風通聖散』を大まかに解説しています。

私の業務経験や各書籍の情報を基に作成していますので、医療業務の参考になれば幸いです。

 

※うちの薬局で取り扱っている漢方が『ツムラ』製ですので、ツムラの漢方薬で紹介させていただいてます。

先にまとめ

防風通聖散が効きやすい人は、

  • 腹部に皮下脂肪が多い肥満
  • 便秘がち
  • にきびなどの湿疹が多い
  • 体力があり、胃腸は丈夫

逆に

  • 水太りでブヨブヨした肥満
  • 汗っかき
  • 虚弱で胃腸が弱い

このような人には不向き

  • 肥満改善は生活習慣がメインを忘れずに
  • 甘草が入っているので、長期服用においては定期的な肝機能と血圧チェックを
  • ふくよかな女性は約半年で肥満に効果ありの報告も
  • 肥満以外に、便秘気味の動悸、肩凝り、のぼせ、高血圧、皮膚疾患、むくみなどにも使用可。
  • 防風通聖散には調胃承気湯(ダイオウ、ボウショウ、カンゾウ)のマイルドな便秘薬組成あり。
  • 大黄(ダイオウ)と芒硝(ボウショウ)には、子宮収縮作用がある。
  • 妊婦は避ける。授乳婦は気を付ける。

 

漢方の考え方

漢方薬は東洋医学に分類される医療です。

薬理作用のメカニズムに基づく西洋医学に対して、東洋医学は経験則に基づく医療なイメージです。

 

要は、

 

『なんかよくわからんけど、○○な人に使ったら効いた!』

 

というイメージです(;^ω^)

 

むかたけ
むかたけ

…あくまでもわたしのイメージですが…

 

気・血・水

そんな経験則の面が強い漢方薬治療で基本的な考えが『気・血・水』です。

 

ここでいう気・血・水は通常医療で使われる『血』や『水』とは少しニュアンスが異なります。

 

気:目には見えないエネルギー、活力(元気がないとかで使う『気』のこと)

血:体に栄養を与える液体全般の事。

水:体を潤す液体全般の事(鼻水とか色々)

 

ヒトの体は『気・血・水』のバランスが保たれてると健康でいられるというのが、漢方医療の大原則となっています。

 

逆に、『気・血・水』の内どれか一つでも過剰だったり足りなかったりすると、途端に体は不調になります。

 

むかたけ
むかたけ

『気』が足りないと元気がなく、食欲がないとか。
逆に『気』が過剰だと、イライラするとかですね。

 

これらの『気・血・水』の是正を漢方薬で行い、バランス調節して体を健康な状態に傾けようという考えです。

 

その為、

『漢方薬で病気を治す』

のではなく、

 

『漢方薬で体を健康状態にして、体本来の治癒力で病気を治す』

 

といった考え方になります。

 

よく、

『漢方薬で体質を改善する』

 

と言われているのは、このようなことも理由の1つとなっています。

 

防風通聖散

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 

効能又は効果:

腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

 

組成

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局カッセキ   3.0g
日局オウゴン   2.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局キキョウ   2.0g
日局セッコウ   2.0g
日局ビャクジュツ 2.0g
日局ダイオウ   1.5g
日局ケイガイ   1.2g
日局サンシシ   1.2g
日局シャクヤク  1.2g
日局センキュウ  1.2g
日局トウキ    1.2g
日局ハッカ    1.2g
日局ボウフウ   1.2g
日局マオウ    1.2g
日局レンギョウ  1.2g
日局無水ボウショウ 0.7g
日局ショウキョウ 0.3g

 

各生薬の働き:

カッセキ:利水、止瀉作用
オウゴン:抗炎症作用、芳香性健胃薬
カンゾウ:抗炎症(ステロイド様作用)
キキョウ:鎮咳、去痰作用
セッコウ:利尿、鎮静、解熱、腸管運動抑制作用
ビャクジュツ:利水、健胃作用
ダイオウ:大腸刺激
ケイガイ:発汗、解熱、鎮痛作用
サンシシ:抗炎症、血行促進作用
シャクヤク:鎮痛、鎮痙
センキュウ:血行促進、血色不良・冷え性改善作用
トウキ:血行促進、血色不良・冷え性改善作用
ハッカ:鎮咳、去痰、止瀉作用、頻尿改善、止帯作用
ボウフウ:発汗、解熱、鎮痛鎮痙作用
マオウ:交感神経刺激作用
レンギョウ:鎮痛、抗菌作用
ボウショウ:便秘改善(便を柔らかくする)、軽い大腸刺激作用あり
ショウキョウ:解熱、発汗

 

脂肪燃焼効果

防風通聖散と言えば、脂肪燃焼効果が代名詞となっています。

 

市販薬で『ナイシトールZ』って漢方薬がありますが、あれも防風通聖散です。

 

ナイシトールZの生薬組成はまるっきり防風通聖散と同じですので、

 

『ナイシトールZが売ってない』

という時は、防風通聖散を代わりに飲むのも良しです。

 

逆に防風通聖散がない時はナイシトールZでも良いです(‘ω’)ノ

 

薬の成型状、添加物は異なりますのでご注意下さい。

 

防風通聖散が合う人

製薬メーカー

『脂肪燃焼!』

というパワーワードに魅せられてすぐにポチるのはオススメ出来ません。

 

どの漢方薬にも言えることですが、

漢方薬には効きやすい人と効きにくい人がいます。

 

防風通聖散が効きやすい人は、

  • 腹部に皮下脂肪が多い肥満
  • 便秘がち
  • にきびなどの湿疹が多い
  • 体力があり、胃腸は丈夫

 

このような体質の人になります。

逆に、

  • 水太りでブヨブヨした肥満
  • 汗っかき
  • 虚弱で胃腸が弱い

 

このような人には不向きで、使っても効果を感じられないことが多いです。

ちなみに水太り例には防風通聖散ではなく、防已黄耆湯の方が効きやすいです。

 

水太りとは?
脂肪が増えて体重が増えている状態ではなく、一時的に水分が増えて体重が増えている状態のことを指します。
身体がむくんでいる状態ですね(;^ω^)

 

 

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本当に脂肪は落ちるの?

結論からいうと、『水』の流れを改善することで代謝が上がるので、ビフォーアフターでいうと多少なりとも体脂肪は落ちます。

 

ただ、防風通聖散のみで肥満を解消するのは難しいと言ったところでしょう。

 

あくまでも漢方薬は体質の改善です。

 

肥満の根本的な原因の多くは食生活などの生活習慣なので、そちらを改善しなければ根本的な解決にはなりません(^^;

あくまでも肥満を改善する為のサポートアイテムの位置付けでお願いします。

 

肝機能のチェックを

肥満改善目的の場合は、少なくても1ヶ月以上の服用になることが多いです。

防風通聖散には甘草(カンゾウ)が含まれますので、偽アルドステロン症などの副作用出現リスクはあります。

定期的な肝機能や血圧のチェックは行いましょう(‘ω’)ノ

 

甘草による偽アルドステロン症の副作用については『芍薬甘草湯』の記事で紹介しております。

ご参考までにどうぞ(*´Д`)

【漢方薬】芍薬甘草湯ってなに?どんな時に使うの?
本記事は私の薬剤師業務のあんちょこ、備忘録として記録しています。ここでは漢方薬の『芍薬甘草湯』を大まかに解説しています。私の業務経験や各書籍の情報を基に作成していますので、医療業務の参考になれば幸いです。※うちの薬局で取り扱っている漢方が『ツムラ』製ですので、ツムラの漢方薬で紹介させていただいてます。

 

肥満には半年

防風通聖散の効果を検証した試験があります。

BMI36.5±4.8の肥満の日本人女性81例に対して、半数にツムラ防風通聖散7.5g/日を服用、もう半数にはプラセボで経過をみた試験です。

24週間続けた結果、防風通聖散を服用している方が有意に空腹時インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性の改善がみられました。

 

むかたけ
むかたけ

インスリンの分泌や抵抗性の悪化は肥満に直結しますからね

インスリンについてはこちらで紹介していますので、よろしければご参考ください(*´Д`)

【糖尿病】血糖値が高いと危険な理由 糖尿病のメカニズム
生活習慣病の代名詞である糖尿病ですが、なぜ血糖値が高いと身体に悪影響なのか?肥満はなぜ糖尿病につながるのか?糖尿病のメカニズムと合わせて解説します。糖尿病の予防は体重減らすだけでも効果的ですので、肥満には注意しましょう。

 

このような検証結果もあるので、肥満改善目的で使用するのであれば半年は続けてみた方が良いでしょう。

まぁ個人差あるので必ずしも半年というわけではないですが…(^o^;)

 

ちなみに、勘の良い方はお気付きでしょうが、被験者のBMIは30オーバーの女性です。

BMI30以上というと、まぁまぁふくよかなイメージですね( ・ω・)

なので、BMI24.9以下の普通体型の方が

なんでしっかり飲んでるのに痩せないのよ!?

 

と、更なる美を求めて服用しても効かないことも多いのでご注意ください(;^ω^)

 

便秘+αの症状にも

『防風通聖散=肥満解消』

というイメージですが、使い道は肥満だけではありません。

 

便秘気味の動悸、肩凝り、のぼせ、高血圧、皮膚疾患、むくみなどにも使われます。

 

特に男性よりも女性に使用されることが多いです。

女性の方が皮下脂肪が多く、水分も溜まりやすい傾向にあるので、防風通聖散が合いやすいこともあるのでしょうね。

 

承気湯類

防風通聖散はダイオウやボウショウを含んでいるので、承気湯類になります。

 

承気湯類ってなんぞや?

むかたけ
むかたけ

防風通聖散の蒸気湯はマイルドな便秘薬の位置付けです。

 

承気は『気』を巡らせることを意味します。

『気』の流れが悪くなると『胃』に滞留し、『水』の流れに影響します。

 

承気湯類であるダイオウやボウショウは『気』の流れを改善することで『水』の流れを改善する役割を持ちます。

 

ちなみに承気湯類となる漢方薬はダイオウやボウショウだけではありません。

  • 大黄(ダイオウ)
  • 芒硝(ボウショウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桃仁(トウニン)
  • 桂枝(ケイシ)
  • 厚朴(コウボク)
  • 枳実(キジツ)

 

これらの生薬が組合わさって構成されると承気湯類となります。

 

防風通聖散の場合は、ダイオウ、ボウショウ、カンゾウが含まれます。

ダイオウ、ボウショウが腸の熱をとり、カンゾウで『胃』の作用を調整する組成ですね。

 

ちなみに

大黄(ダイオウ)
芒硝(ボウショウ)
甘草(カンゾウ)

こちらの3つの生薬の組成は調胃承気湯と呼ばれる漢方薬です。

主に胃に滞留した『気』の巡りを良くする組成ですね。

 

なので、防風通聖散は便秘気味の方の各種症状にも使用されます(‘ω’)ノ

 

妊婦は避ける。授乳婦は気を付ける。

防風通聖散に含まれている大黄(ダイオウ)と芒硝(ボウショウ)には、子宮収縮作用があります。

その為、流早産のリスクがあるので、妊婦は避けた方が良いとされています。

 

授乳婦に関しては、乳児の様子を見ながら慎重に服用すればOKです。

大黄(ダイオウ)に含まれるアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがあるとされている為です。

 

まぁ、飲まなければいけない場合を除いて授乳婦も避けた方が無難でしょう(;^ω^)

 

まとめ

防風通聖散が効きやすい人は、

  • 腹部に皮下脂肪が多い肥満
  • 便秘がち
  • にきびなどの湿疹が多い
  • 体力があり、胃腸は丈夫

逆に

  • 水太りでブヨブヨした肥満
  • 汗っかき
  • 虚弱で胃腸が弱い

このような人には不向き

  • 肥満改善は生活習慣がメインを忘れずに
  • 甘草が入っているので、長期服用においては定期的な肝機能と血圧チェックを
  • ふくよかな女性は約半年で肥満に効果ありの報告も
  • 肥満以外に、便秘気味の動悸、肩凝り、のぼせ、高血圧、皮膚疾患、むくみなどにも使用可。
  • 防風通聖散には調胃承気湯(ダイオウ、ボウショウ、カンゾウ)のマイルドな便秘薬組成あり。
  • 大黄(ダイオウ)と芒硝(ボウショウ)には、子宮収縮作用がある。
  • 妊婦は避ける。授乳婦は気を付ける。

 

最後に

肥満を解消すれば、大抵の生活習慣病は改善に向かうと言われています。

もし防風通聖散が合う体質の方なら、1度試してみても良いかもしれませんね。

ではでは。

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