最近、患者さんからこんな質問が。
『ビオフェルミンとビオスリーってどっちの方が良いの?
何が違うの??』
今回はビオフェルミンとビオスリーの違いについてのお話です。
こちらでは医療用医薬品のビオフェルミンとビオスリーについてお話します。
参考になれば幸いです。
どっちも良い
はじめに、ビオスリーとビオフェルミンの良し悪しに関しては明確な差はないと個人的には思っています。
ただそんなことを言ってしまうと話が終わってしまいます🤤
含有成分などは明確に違いますので、違いについてと個人的な見解についてお話したいと思います。
有効成分の違い
ビオフェルミンとビオスリーは構成する成分が異なります。
ビオフェルミン錠:
・ビフィズス菌12mg
ビオスリー錠:
・ラクトミン(乳酸菌)2mg
・酪酸菌10㎎
・糖化菌10㎎
※ビオフェルミン錠、ビオスリー錠添付文書より
各薬剤1錠あたり上記の有効成分が含まれています。
ビフィズス菌の有無
最も異なる点としてビフィズス菌の有無が上げられます。
ビオフェルミンにはビフィズス菌が含まれていますが、ビオスリーにはビフィズス菌が含まれていません。
ビオフェルミン:ビフィズス菌有り
ビオスリー:ビフィズス菌無し
ビフィズス菌≠乳酸菌
よく混同されがちなのは、ビフィズス菌と乳酸菌が同じであるということです。
ビフィズス菌と乳酸菌は同じではありません。
ビフィズス菌は糖を分解して乳酸と酢酸(短鎖脂肪酸)を産生しますが、乳酸菌には酢酸を作り出す力はありません。
それ以外にも、菌が生育出来る環境も異なります。
ビフィズス菌は酸素が少ない環境下でしか生育出来ないのに対し、乳酸菌は酸素環境下でも生育可能です。
その為、ビフィズス菌は酸素の届きにくい大腸を中心に増殖可能ですが、乳酸菌は大腸のみならず酸素が届きやすい小腸でも生育可能となっています。
ビフィズス菌:酸素あると生きていけない→大腸中心
乳酸菌:酸素あっても生きていける→小腸・大腸
腸内pHを下げる
整腸剤が悪玉菌を一掃させて善玉菌を増やすメカニズムとして、腸内pHの低下が上げられます。
ビオフェルミン内のビフィズス菌は糖を分解して乳酸と酢酸を作り出すことでpHを下げます。
ビオスリー内のラクトミン(乳酸菌)は、文字通り乳酸菌を作り出すことでpHを下げる作用が期待出来ます。
ビオフェルミン:乳酸+酢酸で腸内pH下げる
ビオスリー:主に乳酸で腸内pH下げる
ちなみに、ビオスリーに配合されている酪酸菌と糖化菌は、ラクトミン(乳酸菌)の増殖を促す効果もあります。
乳酸菌単独と酪酸菌、糖化菌を配合した場合とで比較したところ、それぞれ10倍以上菌数が増えた結果があります。
酪酸菌は、短鎖脂肪酸による腸粘膜細胞のエネルギー上昇により、腸の免疫・バリア機能向上が期待でき、悪玉菌が育成しにくい環境に変えてくれます。
糖化菌は糖(炭水化物)を分解する菌で、分解した糖は乳酸菌の利用に使われます。
このような形でビオスリーは3種類の菌が効率良く機能することで効果を発揮します。
ビオスリーの『スリー』も3種類の菌から由来されてるらしいです😄
結局どっちが良いの?
結局最終的にはこの質問にぶつかるわけですが、個人的にはどちらを使っても効果はあると感じています。
腸内フローラは個人によって大きく異なるので、使ってみて調子の良い方を使ってみるのが良いと思っています😵💦
ただ、強いて上げるのであれば、ビオフェルミンは大腸の不調に使い、ビオスリーは小腸も含めたお腹の不調に使うのが良いかな~と勝手に思ってます😅
ビオフェルミンのビフィズス菌は偏性嫌気性(酸素のあるところでは生きられない)なので、直接的な作用部位は大腸になります。
その為、大腸の悪玉菌が増えた事による不調(お腹の膨満感や便秘、下痢)など、お腹が弱い方には特に有効ではないかと思っています。
対してビオスリーですが、酪酸菌や糖化菌の相乗効果で乳酸菌を小腸や大腸に広く増やす働きです。
食べ物の消化吸収の大半が行われるのは小腸です。
その為、便秘や下痢の原因が消化不良等にあると感じる方やエネルギー不足による体調不良などが気になる方はビオスリーがおすすめと考えています。
ビオスリー内の酪酸菌や糖化菌は、芽胞形成菌です。
芽胞とは、過酷な環境下でも菌が生き残る為に作り出す細胞のバリア機能のことです。
その為、腸内バランスが崩れても菌が継続的に乳酸菌をサポートしてくれることが期待出来ます。
最後に
再三になりますが、ビオフェルミンとビオスリーのどちらを使っても効果はあると考えています。
両方ともpH低下や短鎖脂肪酸を作り出す力もありますので、代謝改善、免疫向上などの『腸活』にも使えます。
ご自身の腸内フローラに合った整腸剤が見つかると良いですね✨
参考になれば幸いです。
ではでは。