「今月、後発医薬品加算が伸び悩んでいる…」
「患者さんに後発品をおすすめしても、品質が心配だと断られてしまう…」
調剤薬局の最前線で働く薬剤師なら、日々感じている悩みではないでしょうか😱
私もその一人です。
2024年10月からの選定療養費の導入は追い風ですが、長年「先発品が一番」と考えてこられた患者さんの信頼をすぐに得ることは簡単ではありません。
そんな時、私たちの大きな武器となるのがAG(オーソライズドジェネリック)です。
しかし、「AGなので先発品と全く同じですよ」という説明、もしかしたら正確ではないかもしれません。
実は、一口にAGと言っても、先発品との同一性には3つのレベルが存在します。
今回はAGの3つの分類と、その「簡単な見分け方」について解説します。
そもそもAG(オーソライズドジェネリック)とは?
まずはおさらいです。
AGとは「Authorized Generic」の略で、「先発医薬品メーカーから許諾(Authorize)を得て製造販売される後発医薬品」のことです。
特許使用の許可や、製造技術の共有を受けているため、一般的な後発医薬品(ジェネリック)とは区別されています。
以前に後発品の記事で少し紹介されていますので、よろしければそちらも参考までにどうぞ👇
AGは3つのレベルで理解しよう!
AGの分類は法律で厳密に定義されているわけではありません。
しかし、実務上は「いかに先発品と同一か」というレベルで、慣例的に以下の3種類に分けて理解すると非常に分かりやすくなります。
2022年 AG(オーソライズド・ジェネリック)一覧表。AG1,2,3とは? | くすりカンパニー 役立つ薬学情報サイトより引用
慣例的にはAG1~AG3で表されることが多いようです🤔
先発により近い順としては、AG1>AG2>AG3となりますね。
【AG1】完全同一のAG(通称:真のAG)
原薬・添加物・製法、そして製造工場まで、すべてが先発品と同一のAGです。
まさに「名前と価格が違うだけ」と言えるため、品質を最も気にされる患者さんにも自信をもっておすすめできます。
【AG2】製造場所と技術が異なるAG
有効成分や製法は先発品と同一ですが、製造している工場が異なります。
先発品メーカーのグループ会社や提携工場で製造されるケースなどがこれにあたります。
【AG3】原薬などが異なるAG
有効成分は先発品と同一ですが、原薬や製造工場などは異なるAGです。
もちろん、これらも先発メーカーの許諾を得た正当なAGであり、国が効果と安全性の同等性を確認しています。
【実践編】AGの正体を見破る調べ方2ステップ
では、目の前の薬剤がどのレベルのAGなのか、どうやって調べればよいのでしょうか。
ステップ1:AGの「有無」を調べる

「そもそも、この薬にAGは存在するんだっけ?」
そんな時は、AGの一覧がまとまっているサイトで確認するのが最もスピーディーです。

私が専ら使用させていただいているのは上記のサイトになります😄
このページでPCのキーボード「Ctrl」+「F」を押して薬品名を検索すれば、すぐにAGの有無を確認できます。
ステップ2:AGの「種類」を特定する
AGの種類を正確に特定するには、「インタビューフォーム(IF)」の確認が最も確実です。
PMDAのサイトで最新のIFを検索
PMDA(医薬品医療機器総合機構)のサイトにアクセスします。
医薬品検索を行ったら、該当薬剤のインタビューフォームを開きます。
「医薬品開発の経緯に関する項目」をチェック!
インタビューフォームの中で、この項目がAGのレベルを特定する鍵となります。
ここに「先発医薬品製造販売業者より許諾を得て、原薬、添加物、製法及び製造所が同一の医薬品として開発された」といった記載があれば、それはAG1だと判断できます。
クラリスロマイシン「大正」インタビューフォームより
- 原薬
- 添加物
- 製法
- 製造所
以上の4点がすべて同一であればAG1。
4点未満であればAG2又はAG3と判別することが可能です。
最後に
私の業務上の経験では、AG1の割合が圧倒的に多いイメージです。
ですので、AG2やAG3に注意を払う形で患者さんには説明しています。
実際にすべてのAGを確認し尽くしたわけではありませんので、あくまでもご参考までに💦
この記事が少しでも医療業務の参考になれば幸いです😄
ではでは。