メリスロンとセファドールですが、めまいの治療で1度は見たことがあるお薬かと思います。
両方『めまい』に作用しますが、何が違うのでしょうか?
今回はメリスロンとセファドールの違いのお話です。
医療業務の参考になれば幸いです。
作用の違い
メリスロン(ベタヒスチン)とセファドール(ジフェニドール)は同じめまいに作用する薬でも、作用機序は異なります。
メリスロン:内リンパ水腫の除去
セファドール:左右の血流量の是正、異常な神経興奮による内耳障害を解消
簡単には上記のような違いがあります。
原因は全て解明されてはいませんが、メニエール病では内リンパ水腫がみられる為、メリスロンはメニエール病では特に効果的とされています。
内耳の血管平滑筋を弛緩することで、血管の水分浸透を調整、水分を運び出すことで水腫を改善します。
セファドールはめまいの原因となっている内耳障害を解消します。
内耳の血流量に左右差があるとめまいの原因となるとされており、血流量が少なくなっている側の血管収縮を緩め、血流量を増やすことで、左右差を是正します。
その他、前庭系の異常な神経興奮によるノイズを抑制することでも内耳障害を解消するので、セファドールはメニエール病だけではなく内耳障害によって生じるめまいに効果的とされています。
適応性の違い
作用に違いがあるため、適応性に関しても記載が異なります。
メリスロン:メニエール病、メニエール症候群、眩暈症に伴うめまい
セファドール:内耳障害にもとづくめまい
このような形でメリスロンはメニエール病、セファドールは内耳障害によるめまいという位置付けとなっています。
副作用の違い
メリスロンは構造上『ヒスタミン』に類似している為、主な副作用として悪心・嘔吐(0.1~5%未満)があります。
ヒスタミンに類似している為、消化性潰瘍や気管支喘息、褐色細胞種患者などには慎重投与となっています。
セファドールは抗コリン作用があるため、口渇(4.5%)、食用不振(0.4%)、浮動感・不安感(0.7%)があります。
抗コリン作用があるため、前立腺肥大や緑内障、腸閉塞患者などに対しては慎重投与になっています。
最後に
同じめまいの薬でも作用や副作用が違うので、使い分けが出来ると選択肢が拡がりますね✨
医療業務の参考になれば幸いです。
ではでは。