麻薬の扱いは慣れてないと判断に迷います。
麻薬が1つなくなって病院内で大騒ぎになった!
なんて話は1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実際にあったら怖い例ですね…(;’∀’)
今回はお薬の取り扱いに関するお話です。
麻薬は捨てても良い?
先日、患者さんの家族から、
麻薬って捨てても良いの?
と、物騒な質問をされました。
一見物騒に思えますが、患者さんご家族のお話では
『その麻薬は既に患者さんの手に渡った麻薬で、使わなくなって余ってしまった』
とのことです。
結論からいうと、その麻薬は家庭ゴミで捨てても大丈夫です。
但し、薬物乱用等防止の為に調剤された薬局に持っていくことが望ましいです。
麻薬の廃棄については、その麻薬の状態によって大きく左右されます。
法律上、『調剤前の麻薬』はまだ医療機関側が管理すべき『麻薬』に該当します。
しかし、処方せん指示の基、『調剤された後の麻薬』に関しては、それは『調剤後麻薬』として扱われ、法律上の『麻薬』から少し扱いが外れます。
この違いが混乱の原因となっています。
- 調剤前の麻薬
→医療機関側の管理で、廃棄には保険所職員立ち会いか保健所への持ち込み廃棄が必要(事前に麻薬廃棄届が必要です) - 調剤後の麻薬
→患者さん側の管理で、廃棄は自治体に沿ったゴミ捨てでOK。
ただし、薬局が回収して廃棄することが望ましい。
このような分類となります。
ただ、患者さん側の方で麻薬を捨てると何かと責任問題が発生する恐れがあります。
捨てたと見せかけて自分で使うとか…( ノД`)
薬物乱用の防止も薬局の務めですので、結局のところ薬局が回収して廃棄が望ましいです。
麻薬を正しく廃棄出来るかもよくわからないですしね。
なので、患者さんがお亡くなりになったりして、麻薬が余ってしまった場合などは、
『調剤した薬局に持っていくようにしてください』
説明することが多いです。
回収自体が難しければ、患者さんの方で可燃ごみで捨ててもらうことが多いです。
ちなみに麻薬を回収してくれる薬局は、麻薬小売業の免許がある薬局でなければいけません。
全国どこの薬局でも回収してくれるわけではありませんので、やはり調剤してくれた薬局に持っていくのが無難です。
回収した麻薬は?
多いのはこのようなケースです。
『自分で捨てるのが怖いから、薬局に回収して貰おう』
というケースです。
つまり回収した麻薬を捨てるケースです。
患者さん側から『薬を捨てて欲しい』と相談された医療関係者さんは多いのではないでしょうか?
回収した麻薬の扱いは、結局のところは『調剤後の麻薬』であることは変わりはありません。
その為、回収した麻薬もゴミで捨てることは可能です。
ただし、後に回収出来ない形で破棄するように心掛けましょう。
ちなみに回収した麻薬を廃棄した場合は、廃棄後30日以内に『調剤済麻薬廃棄届』を出さないといけません。
ただ、患者から回収したことを黙ってればわからないのですがね…(^_^;)
ここに関しても、
『薬局側が廃棄すべき麻薬を使用した!』
などとあらぬ疑いをかけられないように、しっかりと届け出しましょうね。
注射剤の施用残液や施用済みの貼付剤に関しては、そもそも届け出は必要ありません。
薬によって正しい廃棄方法は異なりますので、詳しくはこちらをご参考下さい。
医療用麻薬廃棄方法 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
中には製剤上、特殊な処理をしないといけないお薬もあります。
粉砕して流せばOKというだけではありませんので、ご注意ください。
まとめ
- 調剤前の麻薬
→医療機関側の管理で、破棄には保険所職員立ち会いか保健所への持ち込み廃棄が必要(事前に麻薬廃棄届が必要です) - 調剤後の麻薬
→患者さん側の管理で、破棄は自治体に沿ったゴミ捨てでOK。
ただし、薬局が回収して破棄することが望ましい。
最後に
私も薬剤師なりたての頃に、初めて麻薬を触った時はビビりまくってました。
薬物乱用に直接的に繋がる薬なので、しっかりと管理しなければなりません。
判断に迷ったらかかりつけの薬局か、保健所に相談してくださいね~。
ではでは。