【薬局業務】オンライン資格確認時の医療情報・システム基盤整備体制充実加算ってなに?

薬局業務
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2022年10月以降、マイナ保険証利用による資格確認、その加算である『医療情報・システム基盤整備体制充実加算』の算定が可能になりました。

しかし、新設された要件であることや、『マイナンバーカード』という新な要素も組み込まれている為に混乱する方も多いと思います。

 

今回はオンライン資格確認した際の『医療情報・システム基盤整備体制充実加算』の算定についてお話します。

薬局業務の参考になれば幸いです。

 

医療情報・システム基盤整備体制充実加算

医療情報・システム基盤整備体制充実加算(長いので以後、『医シ加算』とさせていただきます(;^ω^))を簡単に説明すると、

 

オンライン資格確認を導入し、利用可能な医療機関が算定出来る点数

 

となります。

 

オンライン資格確認とは、保険証利用登録済みマイナンバーカード(こちらも長いので『マイナ保険証』とさせていただきます)を利用して保険等の資格確認を行うことを指します。

 

基本ベタ取り

よくある思い違いとしては、

 

薬局

『マイナ保険証を利用した時に算定出来る?』

 

という点です。

 

一見、上記のようにマイナ保険証を基準に考えそうですが、医シ加算については原則として薬局単位での算定です。

 

その為、原則として

オンライン資格確認を運用開始、利用可能な薬局

においては、医シ加算をベタ取りすることが出来ます。

 

後述しますが、医シ加算には加算1と加算2があり、どちらを算定するかは患者側のマイナ保険証の有無で左右されます。

しかし、医シ加算そのものを算定するか否かは薬局の施設基準の問題となります。

 

その為、薬局側のシステムトラブル等でオンライン資格確認が出来ない環境になった際は算定不可となりますのでご注意ください。

 

加算1と加算2

オンライン資格確認を運用開始していればベタ取り可能な医シ加算ですが、加算1と加算2が存在感します。

 

医シ加算を簡単に説明すれば、

  • 加算1(3点):マイナ保険証以外での資格確認(従来の保険証確認と同じ扱い)
  • 加算2(1点):マイナ保険証で資格確認した時
    ※ただし、いずれも6ヵ月に1回の算定まで
※2023年4月1日以降は加算1は4点、加算2は1点となります。
尚、2023年12月末までの特例措置です。

となります。

 

患者側にとっては、

患者さん

マイナ保険証を使った方が、使わないよりもお会計が安くなる

ということになりますね。

 

いままでの保険証はそのまま使える

患者さん

マイナンバーカードに保険証利用登録した後はいままでの保険証は使えなくなるの!?

という質問ですが、問題なく利用出来ます。

 

マイナ保険証が利用出来ない場合や利用したくない場合(オンライン資格確認を同意しないなど)は問題なく従来の保険証による資格確認で問題はありません。

 

 

いつから算定可能?

医シ加算が算定可能となるのは、

  • 届出したオンライン資格確認運用開始日以降
  • オンライン資格確認端末等でオンライン資格確認が利用可能となった日

 

こちらの条件が揃えばその日から算定可能になります。

例えば、届出したオンライン資格確認運用開始日が2月1日、薬局で端末等設置が完了しオンライン資格確認が利用できるようになった日が2月15日であれば、2月15日から算定可能です。

 

『翌月から』の算定というわけではなく、『当日から』の算定が可能となります。

 

 

端末はメーカーにより色々ありますが、基本的なシステムは変わりありません。

 

2023年4月以降

オンライン資格確認の導入ですが、2023年4月以降は全国の医療機関で原則導入が義務付けられています。

『原則』という形ですので、各医療機関のオンライン資格の導入状況を見ながらという形です。

 

しかし、国の方針としては今後はマイナ保険証を利用しなければお会計が高くなったりする医療機関が増え、不便となるようなことが予想されます。

 

保険証利用登録してない

患者さん

マイナンバーカードは持ってるけど、保険証利用登録してない

このようなケースはいかがでしょうか。

 

こちらに関しては、『オンライン資格確認が出来ない』ことと同じ扱いになりますので、加算1(3点)となります。

ただし、オンライン資格端末の顔認証リーダーを利用すればその場ですぐに保険証利用登録が可能です。

保険証利用登録してからであれば加算2(1点)となります。

 

マイナ保険証の情報が失効している

マイナンバーカードと保険証の紐付けも済んでいますが、稀に破損や電子証明書の失効などによりマイナ保険証が利用できないケースがあります。

その場合は、『オンライン資格確認が出来ない』ことと同じ扱いになりますので、加算1(3点)となります。

 

システムトラブル

薬局側のシステムトラブル等により、オンライン資格確認が出来ないケースです。

 

このようなケースでは薬局施設基準として、

オンライン資格確認が出来る環境ではない

 

とし、医シ加算そのものを算定することは出来ません。

 

誤って算定しないように注意しましょう(‘ω’)ノ

 

いずれも6ヵ月に1回のみ

医シ加算1でも医シ加算2でもどちらか一方を算定すれば、以降6ヵ月間は医シ加算の算定は出来なくなります。

6ヵ月以内の医シ加算重複には注意するようにしましょう。

 

周知してないとトラブルの原因に?

患者にとってお会計が上がる医シ加算ですが、事前に周知しておかないとトラブルの元になり得ます。

厚生局Q&Aでは薬局のホームページに掲載する…等の回答でしたが、実際にホームページを見てから利用する患者は少ないように思います。

疑義解釈資料 オンライン資格確認202209

 

お会計の段階で初めて医シ加算の件を知り、お会計の件でトラブルに…( ;∀;)

などということは大いにあり得ます。

 

ホームページ等だけではなく、薬局内にポスターやPOP等を設置し、事前に周知して極力トラブルを避けるようにしましょう。

 


厚生労働省 マイナ受付ポスターPDF

オンライン資格確認に関する広報素材について | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

まとめ

  • 医シ加算の算定の有無は薬局基準、加算1か加算2はマイナ保険証基準
  • 加算1(3点):マイナ保険証以外での資格確認(従来の保険証確認と同じ扱い)
  • 加算2(1点):マイナ保険証で資格確認した時
    ※ただし、いずれも6ヵ月に1回の算定まで
  • 利用開始日から算定可能

他にもいろいろなケースがありそうですが、おおまかに加算要件をまとめるとこんな感じでしょうか(;^ω^)

※2023年4月1日以降は加算1は4点、加算2は1点となります。
尚、2023年12月末までの特例措置です。

最後に

いよいよ本格的にマイナンバーカードが医療業界に参入してきた形ですね。

患者さん側も医療機関側も目まぐるしく変わる環境についていかないといけないのは大変ですね。

 

薬局業務の参考になれば幸いです。

ではでは。

参考文献
マイナンバーカードの保険証利用について(被保険者証利用について) (mhlw.go.jp)
オンライン資格確認 QA集 (mhlw.go.jp)
オンライン資格確認・マイナンバーカードの保険証利用について (mhlw.go.jp)

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