乾燥が目立つ季節になってくると、お肌に使う物にも気を付けるようになります。
中でも界面活性作用がある石鹸やシャンプー、ボディーソープなどは乾燥に繋がりやすいです。
最近ではそういった乾燥に繋がるものを極力使わない方も増えてきています。
今回は湯シャンについてのお話です。
界面活性剤は乾燥する
シャンプーやボディーソープなどの、水と油の性質を利用し、汚れを取り除くことが出来る製剤を界面活性剤といいます。
しかし、界面活性剤は汚れは落としますが、それと一緒に必要や油分まで取り除くことも多いです。
シャンプーし過ぎで頭皮が悪化した・・・。
というお話を聞いた事はないでしょうか?
必要な油分まで取り除かれると、身体は防御の為に通常よりも多くの油分を作り出します。
それにより、皮脂が多くなりフケや臭い、雑菌繁殖、不快感の原因になります。
肌にとって油分はある程度必要
お肌にとっての油はある程度は必要となります。
油の役割は
- 保湿
- バリア機能
となります。
私たちの細胞一つ一つにも油分が含まれています。
油(脂)を含むことで、外部からの水や油等とよく馴染み、細胞を守る膜(バリア)を張ってくれます。
頭皮の事を気にするあまり、過剰にシャンプーを使用する方もいます。
患者さんでも過度に乾燥する人や、アトピー持ちの方には過剰なシャンプーやボディーソープの使用は控えるように勧めています。
使っても、後でしっかりと保湿するように指導する事が多いです。
洗髪の回数
現代では1日1回の洗髪が常識のようになっていますが、少し昔は洗髪のペースは今よりもずっと少なかったです。
- 1930~40年代:洗髪は月に2回のペースでしか洗っていない時代でした。
- 1950年代:5日に1回ペース
- 1980年代:2~3日に1回ペース
- 1990年以降:1日1回洗髪するようになりました。
昔は各家庭にお風呂がなく、銭湯に行く必要があったことなどが使用頻度が少なかった要因の1つに上げられます。
現代では各家庭にお風呂が備え付けられている事が大半で、シャンプーも簡単に手に入る世の中です。
世の中が豊かになると共に、洗髪回数が増えてきているのがわかります。
多い人なら1日に2回以上洗髪する人もいるでしょう。
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湯シャン
シャンプーを使わない洗髪は『湯シャン』と呼ばれています。
一般的な生活の中での汚れなら、シャンプーを使わなくても大半は落ちます。
実際、シャンプーの使用回数を減らしたことで改善した声も良く聞きます。
湯シャンは、洗髪剤等を使わずにお湯だけで洗髪や身体を洗うことを指します。
湯シャンの目的はお湯で洗うだけではなく、頭皮や身体の油分を自然な状態にすることになります。
メリット
- お肌の保湿
- バリア機能の改善
- 痒み・フケの防止
- シャンプーなどの金銭面の節約
主に界面活性剤を使わない事によるメリットになります。
界面活性剤を使わないことで必要以上に油分を失うことを防ぎ、乾燥やバリア機能の低下を防ぐことに繋がります。
節約に関しては、年間ベースだとなかなかの金額が節約出来そうですね。
デメリット
- 開始数日の不快感
- 体質によっては臭う
- 体質によっては痒みやフケが悪化することも
- ワックスなどの整髪剤が使用しにくい
人間の身体は変化に適応しようとします。
夏と冬では、実は冬の方が頭皮の皮脂量は多いです。
これは、冬の乾燥に地肌が耐えられるように多くの油分を作り出し、身体を守る為です。
同じように、シャンプーにより頭皮の油分が取り除かれた事で、身体は多くの皮脂、油分を作り出します。
それにより、必要以上に皮脂を出すようになってしまいます。
身体が通常の皮脂量に戻るまでには、おおよそ1週間程要します。
その為、開始数日~1週間は皮脂が多い状態で過ごす事になるので不快感が際立ちます。
ワックスなどの整髪剤は、湯シャンだけで落とす事は困難となります。
どうしても使用したい場合は、極少量に留めて地肌にはつけないようにして下さい。
ワックスの残りは毛穴の詰まりや汚れ、臭い原因となります。
ワックスを落とす際は、シャンプーでしっかり落とすようにしましょう。
先にも述べたように湯シャンの目的は、油分を自然な状態にすることです。
シャンプーを連日使用していると、その影響は現れます。
ワックスやシャンプーを使用しない日は、設定した方が良いでしょう。
湯シャンのやり方
髪は洗髪前にブラッシングする。
いやいや、ブラッシングなんて別にやらなくていいでしょ~。
という方も多いと思いますが、ブラッシングは意外に大事です。
ホコリや垢などの汚れは髪に絡まりやすいです。
そのまま洗髪しても取り除けない可能性があります。
洗髪前にブラッシングをして、汚れを取り除き湯シャンの効率を高めましょう。
そして、ブラッシングには汚れを落とすほか、頭皮の油分を均し髪に必要な油分を与える役目もあります。
やらないよりは断然やった方が良いです。
プラスチック製だと静電気を帯びる事が多く、帯電すると除去効率が落ちるため、静電気を帯びないタイプのブラシを選択しましょう。
温度を38~40度に設定
洗髪時の理想的な温度は36度~38度とされています。
その為、洗髪の温度を37度ぐらいに設定されている方は多いのではないでしょうか。
洗髪時のお湯の温度が37度などであったなら、少し温度を上げましょう。
38度~40度に設定することで、汚れを取り除きやすくなります。
シャンプーするときと同じように
洗髪を実際にするときは、シャンプーをするときと同じ手の動きでOKです。
洗う時と同時に、指の腹で頭皮をマッサージすると尚良いです。
髪が乾燥していて指通りが悪いときは、軽くトリートメントを行ってから湯シャンしましょう。
まとめ
- お肌にとってある程度の油分は必要
- シャンプーやボディーソープの使いすぎに注意
- 一般的な生活の汚れなら大半は湯シャンで落ちる
- 湯シャンは過剰な皮脂分泌を抑える
- 洗う前はブラッシング
- 温度は38~40度に設定
- 体質・環境に合わない時はやらない
最後に
あくまでも湯シャンの目的は、シャンプーによる乾燥や過剰な皮脂分泌を抑え、お肌を自然な状態に持っていくことです。
絶対にシャンプーは使わない!
と否定するのではなく、単に量や回数を減らしてみるだけで有効な事が多いです。
シャンプーの回数を2日に1回に減らそう!
などでもOKです。
個人的には、過度に乾燥していなければ、気にせずシャンプーを使っても良いとも思っています。
有名人などでも、この湯シャンを取り入れている人は多数いるそうです。
湯シャンは生活習慣や環境で合う方、合わない方に分かれると思います。
メリットが大きければ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ではでは。