新型コロナウイルスのワクチンには、ファイザー製ワクチンの『コミナティ筋注』があります。
ワクチン接種による不安の1つに副反応があります。
人によって副反応の発現率や度合いは異なりますが、一定のデータがあれば指標にはなり得ます。
既に接種された方も、これから接種される方もご参考いただければ幸いです。
コミナティ筋注とは
ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチン製剤です。
新型コロナウイルスのワクチンはいくつか種類がありますが、mRNAワクチンに分類されています。
12歳以上から使用可能で、2回の接種が必要となります。
ファイザー製ワクチンは、18歳以上に3回目の接種が特例承認されました。
2回目接種後、少なくても半年以上は期間を空ける必要があります。
コミナティ筋注.pdfより抜粋2021年12月16日追記
モデルナ製ワクチンも3回目の接種が特例承認されました。
主な副反応
コミナティ筋注の添付文書には、国内臨床試験での副反応の発現率が記載されています。
アナフィラキシーなどの重篤な副作用や、その他の副反応、主要の副反応7項目の発現率が記載されています。
主要な副反応は、注射部位疼痛・疲労・頭痛・筋肉痛・悪寒・関節痛・発熱の7項目です。
2回目の方が副反応は強め
1回目と2回目のワクチン接種後の副反応出現率となっています。
日常生活を妨げる程の副反応の出現はGrade3以上と表現されますが、こちらに関しても2回目の方が多い結果となっています。
()内はGrade3以上の出現率、赤字は2回目の方が出現率が高くなった例です。
- 注射部位疼痛
1回目 86.6%(1.7%)
2回目 79.3%(1.7%) - 疲労
1回目 40.3%(0.8%)
2回目 60.3%(3.4%) - 頭痛
1回目 32.8%(0.8%)
2回目 44.0%(1.7%) - 筋肉痛
1回目 14.3%(0%)
2回目 16.4%(0%) - 悪寒
1回目 25.2%(0.8%)
2回目 45.7%(1.7%) - 関節痛
1回目 14.3%(0.8%)
2回目 25.0%(0.9%) - 発熱
1回目 14.3%(0%)
2回目 32.8%(0.9%)
注射部位疼痛を除けば、他のすべての項目で2回目の方が発現率が高くなった結果となっています。
副反応の発現率は
注射部位疼痛>疲労>悪寒>頭痛>発熱>関節痛>筋肉痛
という順番の結果になっています。
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その他の副反応
先の項目にないものでも、臨床試験で副反応が確認されているものがあります。
5%以上では、注射部位の腫れ(10.3%)や下痢(14.8%)。
1~5%未満は嘔吐、1%未満は注射部位の痒み、内出血、浮腫。
インフルエンザ様の症状や悪心、食欲減退など、出現率は稀ですが様々な副反応が確認されています。
日本人の方が副反応は出やすい
16歳以上が参加した、海外の臨床試験の結果もあります。
その結果、頭痛と筋肉痛の項目が、1回目と2回目共に海外の臨床試験の方が、副反応の出現率が高い結果となりました。
しかし、頭痛と筋肉痛以外の副反応出現率は、国内の臨床試験の方が高い結果となっています。
要因の1つとして、日本人と外国人の体格の違い、人種の違い等が考えられます。
通常、海外の薬を日本で審査、承認する際には投与量を1/2程度に抑えます。
これは外国人と比べて日本人の体格が小さいことが関係しています。
しかし、今回のワクチンような緊急性が高い場合は、外国と同じ投与量で設計します。
その為、日本人での副反応の発生頻度は、若干高くなっている可能性があります。
まとめ
- 臨床試験の結果では、副反応は2回目の方が出やすい。
- 副反応の発現率は、注射部位疼痛>疲労>悪寒>頭痛>発熱>関節痛>筋肉痛
- 日本人の方が副反応が出やすい可能性がある。
最後に
海外の臨床試験に比べて、国内の臨床試験の参加者は非常に少ないです。
- 海外臨床試験の参加者:36523例
- 国内臨床試験の参加者:160例
その為、臨床試験だけでは測りきれない部分もたくさんあります。
日本人でも体格や年齢の違いも大きいと考えられますので、あくまでも参考程度にしていただければ幸いです。
ではでは。
参考文献
コミナティ筋注添付文書 672212000_30300AMX00231_B101_1.pdf (pmda.go.jp)