先日、嫁が膀胱炎で悩んでいました。
なかなか症状が良くならず、
『膀胱炎が良くならん…
やっぱり酸化マグネシウムと抗生剤を一緒に飲んじゃったの影響しているのかな…』
と、悩んでいる様子…。
ということで今回は膀胱炎で使用される抗生剤の飲み合わせについてのお話です。
参考になれば幸いです。
クラビット(レボフロキサシン)
嫁が使っていた抗生剤は、クラビット(レボフロキサシン)というもの。
膀胱炎治療では代表的に使用される抗生剤の1つです。
クラビット(レボフロキサシン)はマグネシウムや鉄などと一緒に服用すると吸収が低下する薬剤です。
クラビット錠250mg/クラビット錠500mg/クラビット細粒10%添付文書より
ちなみに一緒に服用することで、2~4割ほどは吸収が低下するようです😓
アルミニウム:56%に低下
鉄:81%に低下
マグネシウム:78%に低下
嫁の場合は、便秘薬として酸化マグネシウムを服用していたとのことですので、吸収量が8割程度になってしまった可能性があります。
2割(20%)減って結構影響ありますよね…💦
ひとまず、クラビットと酸化マグネシウムの服用間隔を2時間以上空ければ問題なさそうでしたので、酸化マグネシウムを中止するか服用時点をずらすことで対処しました✨
ちなみにクラビットは濃度依存的に作用するため、吸収量の低下は甘く見ない方が良いかもしれませんね😅
女性は要注意
膀胱炎に使う抗生剤でアルミニウムにマグネシウム、鉄剤、それにNsaidなどの痛み止めなども飲み合わせが良くないということで、女性は要注意かもしれません🤔
膀胱炎の男女比は約1:2と、女性が男性の約2倍の罹患率となっています。
膀胱炎にはクラビットが多く使用されますし、胃薬の一部(スクラルファートなど)にはアルミニウムが含まれてますし、便秘には酸化マグネシウムが使われ、貧血には鉄剤が、頭痛生理痛にはロキソプロフェン等(プロピオン酸系)が使用される場面も多いと思います😓
男性でもこれらの組み合わせの薬を使う場面が考えられますが、個人的には女性の方が圧倒的に多い印象です💦
ちなみに、Nsaidなどの痛み止めとクラビットとの飲み合わせに関しては、フェニル酢酸系(ボルタレンなど)やプロピオン酸系(ロキソニンなど)が注意が必要となります。
もともとニューキノロン系は中枢神経系のGABA受容体を結合阻害することで、中枢興奮の方向へ作用することがあります。
中枢興奮作用により痙攣誘発に繋がる形ですね😣
そこに先ほどのNsaidなどの痛み止めが加わると、その作用(痙攣誘発)が増強される恐れがあるといったものになります。
とはいっても、ロキソニンなどのプロピオン酸系であれば疑義照会しても変更されないことも多いです。
医師によっては変更されることもあるので、医師次第が多いですね💦
さすがにボルタレン(ジクロフェナク)使ってたら疑義照会しますがね…😅
併用注意レベルではありますが、心配なら疑義照会がベターでしょう👍
ちなみにクラビットのインタビューフォームにNsaid併用時の痙攣誘発結果(動物実験データ)が記載されています。
頭痛などでよく使用されるイブプロフェンやロキソプロフェンであれば痙攣が起きなかったようですね🤔
セフゾン(セフジニル)でも注意
『そんなんじゃクラビット使えないよ』
という声が上がりそうですが、膀胱炎に使われる抗生剤はクラビットだけではありません。
飲み合わせや腎機能低下例など、何かしらの理由でクラビットが使用できないケースでは第3世代のセフェム系が使用されることも多いです。
第3世代セフェム系
- セフゾン(セフジニル)
- フロモックス(セフカペンピボキシル)
- メイアクト(セフジトレンピボキシル)
この中でもセフゾン(セフジニル)はクラビットと同様に鉄、アルミニウム、マグネシウムとの相互作用があるので、注意が必要です。
特に鉄剤との相互作用に関しては、併用するとほぼ抗生剤が吸収されなくなってしまうので、鉄を服用している場合は他のフロモックスやメイアクトに変更した方が良いほどです😓
ちなみにフロモックスやメイアクトであれば相互作用はありません😄
最後に
他にもワーファリンやステロイドなど、クラビット服用で注意しないといけないものはありますが身近なものだと今回お話したお薬が多いと思います💦
膀胱炎の際、抗生剤の服用で不安があれば医師又は薬剤師にご相談ください🤗
参考になれば幸いです。
ではでは。