【お肌】ニキビ・吹き出物の原因と予防法

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ニキビや吹出物は正しくは尋常性ざ瘡と呼ばれています。

生活習慣ホルモンバランスが乱れた時に出現しやすいです。

ニキビが出来ると気分も落ち込みますよね。

今回はニキビのメカニズムから治療や予防についてお話します。

ニキビの原因

人の皮膚には無数の毛穴があります。

産毛であっても毛穴は確かに存在します。

その毛穴に皮脂が溜まり、炎症を起こして毛穴の出口がぷっくり腫れてしまったものがニキビです。

何故毛穴に炎症が起きるのか?

人の身体は絶えず代謝を繰り返しています。

その代謝産物は汗や皮脂などの老廃物として、毛穴から排泄されます。

しかし、不摂生な生活お肌のケアを怠ってしまうと、皮脂が過剰に分泌されたり、毛穴が古い角質で詰まってしまったりしてしまいます。

 

毛穴には常在菌としてアクネ菌がいます。

そのアクネ菌は皮脂が大好物で、毛穴の中に皮脂が過剰になれば、それを栄養にしてアクネ菌が増えてしまいます。

その結果、炎症を引き起こしてニキビに発展するのです。

その為、身体の中で皮脂分泌が多い部位(特に顔や頭皮)にニキビは頻発します

ニキビは英語でAcne(アクネ)です。アクネ菌とはまさにニキビの原因菌ということですね。

ニキビの過程

ニキビにはいくつかの過程があります。

一般的に 白ニキビ → 黒ニキビ → 赤ニキビ の経過を辿ります。

白ニキビ

ニキビの初期段階です。

毛穴の入り口が閉じてしまっているので、外見は基本的にはうっすらとした感じで、まだ目立たないでしょう。

しかし、触ると異物感がわかるなど、これからニキビになることは予想出来る段階です。

黒ニキビ

ニキビが次の段階に進んだ姿です。

中で皮脂が盛り上り、ニキビとして認識出来る段階です。

毛穴の入口は開いていて、角栓が酸化されたことにより黒色になります。

まだアクネ菌が増えて炎症を強く起こしていない状態なので、外見はまだ目立たないことが多いです。

赤ニキビ

既に炎症が起きている状態のニキビです。

アクネ菌が皮脂を栄養にして強く炎症を引き起こしている状態です。

外見的にははっきりとニキビとしてわかるようになっています。

 

ニキビは放置していても1週間ほどで消失することがほとんどです。

しかし、症状が悪化すると消失までに数週間を要するにケースもあります。

気になるようであれば、早めに医療機関に受診しましょう。
ニキビは保険医療で治療出来ます

背中ニキビの原因菌は異なる

皮脂が少ないと思われる部位に出来るニキビ(背中ニキビなど)は、原因菌が違う場合が多いです。

背中にきびなどは毛嚢炎(もうのうえん)と呼ばれ、ニキビとはまた原因菌が異なる疾患です。

原因は黄色ブドウ球菌真菌(カビ)自己免疫によるものなどで、原因により治療はその都度異なります。

 

一般的なニキビは前述したように、毛穴が詰まることで発生しますが、背中ニキビなどの場合は原因は菌が毛穴に侵入すること発生します

その為、ニキビと同じ治療をしても治らない可能性が高いのです。

こちらも気になるようでしたら、早めに医療機関に受診してください。

ホルモンでニキビは引き起こされる

お肌の皮脂分泌は男性ホルモンのアンドロゲンの影響を強く受けます。

その為、ホルモンバランスが活発になる思春期~20歳頃にかけて、皮脂分泌はピークとなります。

女性の場合は生理周期でホルモンバランスの変動があります。

生理前に分泌される黄体ホルモンが男性ホルモン様作用を持つことや、女性ホルモンの分泌低下により、一時的に男性ホルモン優位になることが原因として考えられています。

その為、女性の場合は生理前にニキビが出現しやすくなってしまいます

 

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治療法

皮脂が過剰に分泌されると、常在菌によって皮脂分解された脂肪酸が、毛穴の出口を刺激して出口を狭くしてしまいます。

これに体質や不摂生が合わさると、さらに毛穴が詰まる結果となり、出来るものが角質です。
面皰(めんぽう)と呼ばれるものですね。

それから内部が炎症を引き起こして、にきびに繋がって行くのです。

ですので、治療はにきびの段階に沿って行わなければいけません

具体的には、炎症がまだないにきび(白ニキビ・黒ニキビ)、炎症が既に起きているニキビ(赤ニキビ)で治療が異なります。

白ニキビ・黒ニキビ:
毛穴詰まりの原因の角栓を取り除く治療 → 角質を剥離させる薬(外用ピーリング剤)を使用。赤ニキビ:
炎症を引き起こしている細菌を抑える治療 → 抗生剤や抗菌剤を使用


尋常性ざ瘡ガイドラインより

ニキビにならないために

ニキビ予防は日頃の生活習慣に気を付ける事が一番です。

ストレスを溜めない

ストレスによりホルモンバランスは簡単に乱れてしまいます。

ストレスホルモンのコルチゾールはアクネ菌の作用を活性化させてしまうことも報告されています。

規則正しい生活を心掛けるようにして、ストレスを溜めないように心掛けましょう。

睡眠はしっかりとりましょう。

食生活を気を付ける

皮脂分泌が多くなる食生活は当然ながら、ニキビの助長となります。

脂肪食中心の食生活は極力控えましょう。

お肌のケア

お肌のターンオーバーが乱れることは、ニキビ、吹出物の原因となります。

お肌のターンオーバーを正常にするように心掛けましょう

ターンオーバーはお肌の代謝サイクルのことを指します。
新しい皮膚が出来て、古い皮膚が剥がれ落ちるまでのサイクルで、通常1か月ほどで1回のサイクルとなっています。

朝と晩に洗顔を行い、お肌に皮脂角質を溜めないように心掛けましょう。

洗顔の後にタオルで顔を擦るのはNGです。

炎症を悪化させてしまう恐れがあります。

 

女性の場合、お仕事が忙しかったりすると、お化粧したまま眠ってしまうことがあると思いますが、そちらもNGです。

お化粧は落として、洗顔してから眠るようにしましょうね。

膿は出した方が良いのか?

ニキビが膨らんで来ると、潰したかったり、膿を取り除きたい気持ちに駆られますが、やめておきましょう。

通常であれば、ニキビは1週間程で自然に消失します。

潰してしまうと、新たに細菌感染を引き起こして、炎症が悪化する可能性が高く、炎症が悪化すれば肌がダメージを負い、にきび跡になる可能性も高まります

ニキビの毛穴の中では免疫が戦ってくれている状態です。

そして、外部からの細菌感染を防いでくれている状態でもあります。

ぐっと堪えてやり過ごしましょう。

何故にきびは跡になるのか?

ニキビ跡になるのは、炎症によるダメージが肌の深部まで到達し、ターンオーバーでは修復しきれないレベルになってしまう事が原因です。

手術火傷の跡なども肌の深部にダメージを負うことで跡になったりします。

どうしても気になる時や酷い時は、医療機関に受診しましょう。
ニキビ跡にならない為にも、しっかりとケアをするようにしましょう。

最後に

ニキビは美容の大敵ですが、生活習慣やホルモンバランスを見る指標にもなります。

出来る限りニキビには出現してほしくないものですね。

ではでは。

参考文献
背中ニキビ(身体ニキビ)の症状・原因|くすりと健康の情報局 (daiichisankyo-hc.co.jp)
アクネ菌対策!ニキビのセルフケア・治療|さぎのみや皮膚科クリニック 中野区 鷺ノ宮 中村橋 都立家政 アクネ桿菌 (saginomiya-hifuka.com)
グルココルチコイドによる培養ヒト角化細胞のToll-like Receptor 2 の発現増強

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