ロキソニンはご存知でしょうか?
市販薬として販売されて、かなり認知度が高まったかと思います。
しかし、先日とある患者さんからこんな相談を受けました。
こないだ薬局で飲み薬のロキソニンを買おうと思ったら、種類が多すぎてわからなかった。
ロキソニンとは、市販薬の『ロキソニンS』シリーズのことでした。
ロキソニンSはいくつかの種類があります。
今回は市販薬のロキソニンについてお話します。
ロキソニンSとは?
ロキソニンSは医療用医薬品から一般用医薬品(市販薬)に承認された、いわばスイッチOTCと呼ばれるお薬です。
有効成分であるロキソプロフェンNa水和物は、医療用医薬品と同じ分量で含有されています。
2011年から第一類医薬品として、販売が開始されました。
4種類のロキソニンS
現在、ロキソニンSは第一三共ヘルスケア株式会社から4種類が販売されています。
ロキソニンS
添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、乳糖水和物、三二酸化鉄
オーソドックスな解熱鎮痛剤となっています。
添加物も最小限で、純粋に痛み止めとしての用途であればこちらで充分でしょう。
ロキソニンSクイック
添加物:リン酸水素Ca、乳糖、クロスカルメロースNa、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg
有効成分のロキソプロフェンに加えて、胃粘膜保護薬のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが追加されています。
リン酸水素Ca、クロスカルメロースナトリウム
更に服用後の溶解を促進させる為に、添加物にリン酸水素Ca、クロスカルメロースナトリウムが含まれています。
クロスカルメロースナトリウムは吸水することで膨張し、錠剤を溶けやすくする『崩壊剤』としての働きがあります。
リン酸水素Caと組み合わせることで、効率的に薬が溶解する仕組みとなっています。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
主に胃酸を中和する作用で、胸やけやゲップ等の症状に効果があります。
通常よりも溶解が早く設計されている為、その分胃に負担をかけない為に胃粘膜保護薬を配合していると考えれます。
ロキソニンSクイックでは、添加物に『崩壊剤』が適量加えられていて、素早く溶解する設計になっています。
ロキソニンSプラス
添加物:乳糖、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースNa、ステアリン酸Ca、ヒプロメロース、酸化チタン、三二酸化鉄、カルナウバロウ
ロキソプロフェンに酸化マグネシウムが追加されています。
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは胃酸の中和や便を柔らかくする働きがあります。
便を柔らかくするには、200mg以上の用量が必要となります。
今回は1錠で33.3mgな為、胃酸の中和が主な働きとなります。
ロキソプロフェンの副作用で胸焼け等がありますが、ロキソニンSプラスはより胸焼けの副作用が出にくい設計となっています。
ロキソニンSプレミアム
添加物:乳糖、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースNa、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、カルナウバロウ
プレミアムと呼ぶに相応しい程、成分が追加されています。
アリルイソプロピルアセチル尿素
アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮痛だけではなく、鎮静の効果もあります。
頭痛や生理痛などの痛み、イライラによく効きます。
しかし、その分眠気が出てしまう恐れがあります。
無水カフェイン
眠気が出ないようにするために、無水カフェインも入っています。
カフェイン量としては、コーヒー1杯弱ぐらいです。
カフェインにも鎮痛効果がある為、ここでも鎮痛効果が狙えるでしょう。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
更に胃粘膜保護の役割でメタケイ酸アルミン酸マグネシウムも追加されています。
主に胃酸を中和する作用で、胸やけやゲップ等の症状に効果があります。
ロキソニンSプレミアムは、生理痛や頭痛がひどく、イライラして気持ちが滅入りやすい人におすすめです。
まとめ
- ロキソニンS:オーソドックス
- ロキソニンSクイック:即効型
- ロキソニンSプラス:副作用軽減型
- ロキソニンSプレミアム:鎮痛・鎮静特化型
最後に
どのロキソニンSも、解熱鎮痛成分であるロキソプロフェンの分量は同じです。
その為、どのロキソニンSを選択しても、一定以上の効力はあります。
その上で、ご自身のお体にあったロキソニンSを選択すれば良いと思います。
痛みが解決すると良いですね(^ω^)
ではでは。