【新型コロナ】イベルメクチン・ストロメクトールとは? 新型コロナウイルスへの有効性について

医療系
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新型コロナウイルスが蔓延してから、様々なお薬の有効性が取り上げられて来ました。

その中でも注目を浴びているのは、イベルメクチン(ストロメクトール)と呼ばれる抗寄生虫薬です。

今回はイベルメクチンについてのお話です。

 

イベルメクチンとは?

北里大学の大村智名誉教授によって開発された抗寄生虫薬です。

既に世界中での使用実績があり、30億人以上が使用しています。

 

大村智博士は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞されましたね。

 

日本ではストロメクトール錠3mgとして、2002年から販売されています。

 

成分名と製品名

イベルメクチンやストロメクトールと名前がいくつも出てきて混乱するかと思います。

成分名:イベルメクチン
製品名:ストロメクトール錠3mg

 

となっています。

 

薬の有効成分がイベルメクチン。

そのイベルメクチンを使い、添加物等を混ぜて成型し、製剤にしたものがストロメクトール錠という形です。

 

 

ちなみにストロメクトール錠3mgの『3mg』は、『ストロメクトール錠の中に、イベルメクチンという有効成分が3mg含まれています』という意味になります。

 

 

海外で販売されているものは、1錠にイベルメクチンが12mg含まれている規格もあります。
『○○12mg』などの製品名記載があるかと思います。
こちらの12mg1錠が、ストロメクトール錠3mg4錠の分量に相当します
個人で購入されている方は、誤って12mgを4錠服用しないようにご注意ください。

どんな寄生虫に有効か?

薬の適応は、糞線虫疾患疥癬疾患です。

 

糞線虫

熱帯、亜熱帯地域に存在する寄生虫です。

小腸に寄生することが知られています。

 

日本では鹿児島県や沖縄県等にみられます。

感染すると発疹や肺症状、下痢を伴う腹痛などが現れます。

 

疥癬(かいせん)

ダニによる感染症の一種で、『ヒゼンダニ』と呼ばれるダニが、皮膚を介して感染します。

角質層に寄生して、人から人への感染が確認されています。

 

感染すると発疹の他、激しいかゆみを伴います。

 

【皮膚】疥癬・白癬・乾癬、何が違うの?
疥癬、白癬、乾癬…薬局ではよく使われる単語ですが、その違いがわからない人は意外と多いです。薬剤師に成り立ての私の後輩も『疥癬、白癬、乾癬とか違いがよくわからん』とか言ってました。というか、私も薬剤師に成り立ての時は全然わかってなかったです。今回は疥癬、白癬、乾癬の違いのお話です。疥癬、白癬、乾癬で混乱している方の参考になれば幸いです。

 

用法用量

糞線虫

体重1kg当たり約200μgを1回、空腹時に経口投与し、2週間後にもう一度服用します。

計2回の服用が基本的な使い方となります。

 

2週間空ける理由は、寄生虫の卵に対しては効果があまり認められない為、一定期間後に孵化してから再度薬を使用することで、確かな効果を出す狙いとなっています。
1000μg=1mgです。
体重60kgの人であれば、ストロメクトール錠3mgを1回4錠(12mg)服用することになります。

疥癬

体重1kg当たり約200μgを1回、空腹時に経口投与する。

患者体重毎の1回当たりの投与量

  • 体重(kg):15-24
    3mg錠数:1錠
  • 体重(kg):25-35
    3mg錠数:2錠
  • 体重(kg):36-50
    3mg錠数:3錠
  • 体重(kg):51-65
    3mg錠数:4錠
  • 体重(kg):66-79
    3mg錠数:5錠
  • 体重(kg):≧80
    3mg錠数:約200μg/kg

 

こちらは糞線虫とは異なり、1回の服用となります。

 

作用のメカニズム

作用のメカニズムは、クロライドチャネルの膜透過性を亢進させて、寄生虫を麻痺・駆除する効果があるとされています。

 

専門用語が多くて何を言ってるのかわからない

 

という方もおられるかと思いますので、少し噛み砕いてお話をします。

 

寄生虫の神経細胞の表面にはチャネルというタンパク質が存在します。

このチャネルは細胞の外側と内側のイオンの通り道となっていて、イオンチャネルとも呼ばれています。

 

チャネルには活動を促すものと、抑制するものが存在します。

今回のクロライドチャネルというのは、Clイオンが通るチャネルとなっていて、Clイオンが細胞内に入ると、寄生虫の神経細胞は活動が抑制されます。

 

つまり、クロライドチャネルが寄生虫の活動のブレーキ役のようなものとなります。

 

イベルメクチンはこのクロライドチャネルを強制的に開き、Clイオンを神経細胞内に流入させて寄生虫の活動を止めてしまいます。

その結果、寄生虫が麻痺して動けなくなり、駆除することが可能となります。

 

副作用

副作用の頻度は少なめですが、稀に出現することがあります。

主な副作用は肝機能障害や好酸球増加です。

 

重篤な副作用では、ごく稀に皮膚障害や血球異常などがあります。

 

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妊婦・授乳婦・小児への使用

妊婦

妊娠中の投与への安全性は確立されていません。

動物実験では催奇形性が認められています。

治療上やむを得ない場合にのみ使用するといった形です。

 

授乳婦

乳汁中への成分の移行が確認してされているため、服用後は授乳を中止する必要があります。

 

イベルメクチンの半減期は約18時間です。
服用後、身体からイベルメクチンが全て抜けるまでに約90時間(3~4日)かかります。
服用後、3~4日は授乳を避けた方が良いでしょう。

小児

小児に関しては、体重15kg未満の小児に対しての安全性は確立されていません。

これは、有害であるからではなく、臨床試験上の経験が少ない故です。

 

新型コロナウイルスに有効な可能性がある

2020年から北里大学による治験が行われました。

それは、イベルメクチンが新型コロナウイルスに有効かもしれないということを確認するための治験です。

 

治験の内容は新型コロナウイルス陽性者に対して、イベルメクチンを投与し、プラセボと比較して有効性を確かめるといった内容になっています。

 

用法用量

治験における用法用量は、体重1kg当たり200μg/kgの分量を空腹時服用します。

疥癬と同様の用法用量となります。

 

抗ウイルスの作用メカニズム

抗ウイルスに対しては、寄生虫への作用機序とは異なります。

大きく2つ作用機序で抗ウイルス効果を示し、これが新型コロナウイルスにも有効であるとの見解が示されています。

 

ウイルスによる免疫反応阻害の解除

ウイルスが感染すると、インポーチンと呼ばれる物質が、細胞の核内に入り、インターフェロンを呼び出します。

この免疫物質であるインターフェロンが、ウイルスを攻撃して除去してくれます。

 

インターフェロン:
ウイルスに感染した細胞が作り出す抗ウイルス作用があるタンパク質です。
ウイルスの増殖抑制効果などがあります。
インポーチン:
タンパク質を細胞核の中に運び込む、輸送タンパク質です。
インポーチンにより運び込まれたタンパク質が引き金となり、インターフェロンなどが応答します。

 

しかし、新型コロナウイルスはこのインポーチンの働きを阻害してしまいます。

その為、インポーチンはインターフェロンを呼び出すことが出来なくなります。

その結果、ウイルスは免疫攻撃を受けることなく増殖してしまいます。

 

イベルメクチンはこの新型コロナウイルスのインポーチン阻害作用を解除します

その結果、インポーチンは無事にインターフェロンを呼び出すことができ、免疫反応が正常に働きます。

 

ウイルスの複製の阻害

新型コロナウイルスは感染した後、細胞内で自分のコピーを作る為に、タンパク質をつくり出します。

作られたタンパク質が機能する為には、プロテアーゼと呼ばれる成分でタンパク質を切り離す必要があります。

 

イベルメクチンはこのプロテアーゼに作用して、タンパク質の切り離しを抑え、ウイルスが複製(コピー)することを防ぎます。

その結果、ウイルスは増殖出来なくなると考えられています。

 

 

最後に

イベルメクチン(ストロメクトール)の新型コロナウイルスへの有効性に対しては、未だ謎な部分もあり、今後の研究が期待されているところです。

早く新型コロナウイルスに有効な治療薬が確立して欲しいと、切に願っています。

ではでは。

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