鉄剤を服用している患者さんからこんな声があります。
『鉄剤飲んでたら歯が茶色くなった気がする』
今回は鉄剤で歯が茶色くなる原因と対処についてのお話です。
歯に着色する
そもそも、鉄剤を使用していて何故歯が茶色くなるのでしょうか?
鉄剤を使用して歯が茶色くなる原因として、
『唾液の糖蛋白由来で、歯の表面の被膜とプラーク(歯垢)に鉄イオンとタンニン酸などの成分が結合することによって、黒色や茶褐色などに着色する』
ということが言われています。
要は、
『プラーク(歯垢)に鉄成分やタンニン酸が結合して着色』
ということなので、歯そのものが茶色くなるわけではありません。
あくまでも歯に鉄成分が着色するだけです。
歯磨きが一番有効
あくまでも着色するだけですので、物理的に磨いて落としてしまうのが最も効果的です。
鉄剤服用後すぐに歯磨きすれば、歯が茶色く着色する可能性は激減します。
着色が定着していまい、歯磨きで落とせない場合は歯医者さんでホワイトニングを検討しても良いでしょう。
軽度な着色であれば、重曹(炭酸水素ナトリウム)での歯磨きで対処可能なことは多いです。
鉄剤のフェロミアの添付文書にも対策が載ってますしね。
お茶と一緒の服用は避ける
茶色く着色する原因として、
『プラーク(歯垢)に鉄成分やタンニン酸が結合して着色』
こちらのタンニン酸は茶葉類に多く含まれています。
なので、茶葉由来の飲み物での服用は控えた方が良いでしょう。
お茶と鉄剤を一緒に服用しなくても、口の中に鉄剤の成分が残っていれば着色の可能性はあります。
鉄剤服用期間中は茶葉由来の飲み物は控えるか、鉄剤服用後は歯磨きなどで対処しましょう。
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錠剤に変える
鉄剤には色々な剤形があります。
特にシロップや散剤だと、歯と歯の隙間に鉄成分が入り込みやすく、歯磨きでは除去しきれない場合もあります。
歯と歯の隙間はブラッシングが難しいですからね。
錠剤の服用が可能であれば、そちらへの変更も検討してみてはいかがでしょうか。
オブラートで服用
口の中に鉄成分が残らなければ良いので、オブラートに包んで服用するのも手です。
まとめ
- 鉄剤で歯が茶色くなるのは着色によるもの
- 口の中に鉄成分が残っていなければ防げる
- 最も有効なのは歯磨き
- 落ちなければホワイトニングも検討
- お茶との服用は避ける(出来れば服用期間中も)
最後に
鉄分は身体の中では必須の物質です。
特に貧血などで鉄剤を服用する女性は多いです。
歯の色は美容に直結しますので、鉄剤を服用するときは歯の着色には気を付けたいものですね。
ではでは。
参考文献
フェロミア顆粒8.3%_2.pdf